長く根強い人気を誇る読物のジャンルに「ミステリー」という項目があります。
小説や漫画といった読物だけではなく、映像作品でも良く見かける印象です。
私もミステリー小説を読んだり、映画を観たりすることがあります。
物語の中で起きた事件の犯人やトリックを探る時のワクワクは、SFや冒険譚とはまた違ったスリルがあり、なかなか途中で栞を挟めないのが悩みどころです…
さて、長い歴史がある「ミステリー」というジャンルですが、誰もが名前を耳にした事のある主人公といえば、やはり「シャーロック・ホームズ」ではないでしょうか。
“シャーロキアン”という言葉があるほど、非常にファンの多い作品で、現代においても映画やドラマとして、リメイクされ愛され続けています。
「アーサー・コナン・ドイル」が生まれたのは、1859年の5月22日。
彼の生誕から、本年で165年という長い年月が経ちました。
ドイル氏が「シャーロック・ホームズシリーズ」を世に生み出したのは、1887年。
彼が28歳の頃といわれています。
約140年前に世に生まれた作品から着想を得て、2021年にモンブランの作家シリーズとしてペンが製作されています。
▪作家シリーズ2021 サー・アーサー・コナン・ドイル
まず目を引くのは深く暗い、少しくすんだブルー。
主人公のホームズが住んでいた『霧の街ロンドン』をイメージしています。
この時代のロンドンの霧は「ロンドンスモッグ」といわれ、人命に関わる大気汚染被害のはじまりといわれています。
ホームズシリーズの怪しさを演出するのに相応しいブルーといえるのではないでしょうか。
また、ボディ施された模様にもご注目ください。
シャーロックといえば、インバネスコートに鹿撃ち帽の風貌がイメージされるのではないでしょうか。
胴軸の格子模様は、彼の愛用していたコートや帽子から着想を得て製作されました。
更にこの格子模様には、ロンドン市街の地図も隠されています。
キャップには
BAKER STREET
-ベイカー・ストリート-
の文字。
胴軸には
UPPER WIMPOLE ST REET
-アッパー・ウィンポール・ストリート-
の文字。
ベイカー・ストリートはシャーロック・ホームズの住んでいた“221B”があったとされています。
では、アッパー・ウィンポール・ストリートとは…?
こちらは、作者のドイル氏が、まだ眼科医として開業していた頃に、診療所を置いていた街です。
皮肉な話でもありますが、彼の診療所は開業後も閑古鳥が鳴く状態が続き、その結果、多くの作品を執筆できたといわれています。
なお、ドイル氏はこの当時出始めたコンタクトレンズに目をつけ、一儲けを考えたこともありましたが、挫折した結果、小説の方が成功し、シャーロック・ホームズが生まれたという逸話も残っております。
もしも彼がコンタクトレンズで成功していたら、シャーロック・ホームズは生まれなかったかもしれません…
まだまだ、細かな装飾や、心をシャーロキアンのくすぐる演出がこの1本の万年筆には隠れています。
続いて、クリップのこのカタチ…
ハッとする方もいらっしゃるかと思います。
いつしか探偵の七つ道具のひとつとなった“アンティークルーペ”がモチーフになっています。
ルーペのレンズ部分を覘けは「J.B.」の文字。
シャーロック・ホームズのモデルとされた「ジョセフ・ベル博士」のイニシャルです。
ルーペを覗き込むとい演出が施された、こまやかなデザインがは、この万年筆の魅力の一つではないでしょうか。
そして、ペン先をご覧ください。
作者のドイルの後ろに見える三匹の生き物。
ドイル氏の作品である「失われた世界」に登場する3匹の竜が描かれています。
ミステリー小説で一躍人気を誇ったドイル氏ですが、彼の執筆する小説の幅はミステリーにとどまらず、SFや歴史をモチーフとした作品も遺されています。
キャップリングには、もちろんドイル氏のサインも刻印されております。
モンブランの作家シリーズにおいて、著者の署名は、歴史に名を刻む彼らを、しっかりと後世に伝えてくれるような美しさを携えています。
どの作品にも共通して、読者を本の中へ導いてくれる魅力の詰まった作品を遺した彼へ、とめどないリスペクトを込めたこの一本を是非いかがでしょうか。
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