今は無きOMASが
チャールズ・ダーウィンに捧げたモデル

2023年07月23日

オマス
万年筆 チャールズ・ダーウィン生誕200周年記念
I think リミテッドエディション

2016年に惜しくも廃業となったイタリアOMAS社。

イギリスの偉大な科学者チャールズ・ダーウィンの生誕200年を記念し、2009年に発売されたモデルをご紹介します。

チャールズ・ロバート・ダーウィンは1809年にイングランドで誕生しました。

裕福な家庭で育ち、植物・鉱物収集や昆虫採集に夢中。
自然や化学などの身近なものに興味が強い少年でした。

16歳の時に医師である父を助けるため、医学と地質学を学びますが、血を見ることが苦手で、麻酔がまだ導入されていない時代の外科手術になじめず学位を取らずに大学を中退します。

20歳になると、父に牧師になるよう勧められ、ケンブリッジ大学に進学し、神学や古典・数学を学びます。

大学を卒業後、恩師の紹介によりイギリス海軍の測量船ビーグル号に科学者として乗船します。
1835年にガラパゴス諸島のチャタム島に滞在し、ここで進化論のヒントを得たと言われています。

ダーウィンが5年にもわたる航海と調査をもとにしたためたのが1859年に出版された「種の起源」です。

「生物が共通の祖先から長い時間をかけて徐々に進化してきた」という科学的に考察した内容は、世界に大きな衝撃を与えました。

19世紀当時はキリスト教の影響が強く、「生物は神が創造したもの」と考えられていた時代。
ダーウィンの考え方は人々に理解されにくいものでした。

しかし、ダーウィンの科学的な研究は高く評価され、現代生物学の基盤として多くの人々に知られています。

種の起源の中でダーウィンが記した「I think」は、
「人間を物事の中心に置く意思の表明及び行為」という意味や、「文章を書くことで考えが形を成す」という意味が含まれています。

ダーウィンの誕生年1809年にちなみ、スターリングシルバー仕上げの吸入式万年筆1000本とローラーボール809本の合計1809本が限定生産されました。

天冠と万年筆のペン先には、進化論の着想へと導いたといわれるガラパゴス諸島のMocking Bird(マネシツグミ)の可愛らしい姿がデザインされています。

クリップには、亀や海/陸イグアナ、溶岩トカゲ、フラミンゴ、カツオドリ、大ヤモリの足跡。

キャップや胴軸には当時の帆船にも多く用いられていたオーク(楢/樫)材が使用。
キャップリングには、ダーウィンの理論を起源とし研究されてきたDNA構造が描かれています。

胴軸にはビーグル号や海洋探検の航路が描かれています。

船のロープを表す装飾が、胴軸後方と尻軸と天冠に合計5本施されています。

ダーウィンの生涯が随所にちりばめられた知的好奇心をくすぐる名品です。

オマス万年筆 チャールズ・ダーウィン生誕200周年記念 I think リミテッドエディションのお買い物はこちら >>

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先月6月29日はフランスの作家
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900~1944)の誕生日でした。

そのサン・テジュグペリの代表作が「星の王子さま」

300以上の言語に翻訳されていて、「聖書の次に多く翻訳された書籍」と言われています。

原語のフランス語の題名は【Le Petit Prince】
直訳すると「小さな王子さま」です。

英語版「The Little Prince」
イタリア語版「Il Piccolo Principe」
中国語版「小王子」・・・。

多くの国が原語と同じ意味の題名をつけていますが
日本の【星の王子さま】という呼び方は、お話を読めば読むほどこの呼び方以外には考えられないくらいに自然に感じられる、素敵な題名だと思います。

▪岩波少年文庫版と新潮文庫版

さて、モンブランから発売されている
「マイスターシュテュック ル・プティ・プランス」コレクション。

星の王子さまに登場するキャラクターをテーマに作られた3つのシリーズです。

それぞれに万年筆やボールペン、またサイズ、デザインも様々なモデル展開となっています。

【第一弾 キツネ】

王子さまが地球で出会うキツネ。
「大切なことは、目には見えない」と教えてくれます。

万年筆のペン先には王子さまとキツネの刻印が。

【第二弾 アビエイター -飛行士-】

物語の語り手である飛行士。
操縦していた飛行機が砂漠に不時着したことで王子さまと出会います。
キャップにはその飛行機と砂漠の絵が施されています。
万年筆のペン先には飛行士が王子さまにせがまれて描いたヒツジの絵の刻印が。

 

【第三弾 プラネット -惑星-】

王子さまの星の、王子さまが愛した一輪のバラをイメージしたバーガンディの軸色。
「キツネ」「アビエイター」と異なりゴールドのトリムとなっています。

万年筆のペン先にもバラの刻印が。

「星の王子さま」の世界がそのまま筆記具で楽しめるこのシリーズ。

今は色々な日本語訳版も出版されていますので、新たに読み返しながら比べてみるのも楽しいかもしれません。

モンブラン 『ル・プティ・プランス』 コレクションのお買い物はこちら >>

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【メディア放映情報】<br>キングダムノート日本の生物シリーズ

【メディア放映情報】
キングダムノート日本の生物シリーズ

2023年07月14日

2023年7月16日(日) 7:30~放送
日本テレビ『シューイチ』

キングダムノートオリジナルインクの10匹の子たちが登場します。

『日本の生物シリーズ第7弾 ウミウシ』

『日本の生物シリーズ第8弾 ダンゴウオ』

2013年からシリーズ化をして不定期でリリースしている
『日本の生物シリーズ』
日本に生息する固有種の生き物の色をテーマにした万年筆インクです。

当店の数多くあるオリジナルインクの中でもこのシリーズは大変好評で、キングダムノートスタッフが企画し造る独特な世界観と色味が、インク沼の世界では『ちょっと変な感性を持った集団』とお墨付きをいただいております。
(とても名誉あるお誉めの言葉と捉えております)

その他にもインク沼の住人にはとても魅力的な内容になるのではと今から期待大です!!
是非、多くの方にご覧いただければ幸いです。

キングダムノート別注 日本の生物シリーズ 「ウミウシ」50mlのお買い物はこちら >>
キングダムノート別注 日本の生物シリーズ 「ダンゴウオ」20mlのお買い物はこちら >>

大切なことですのでもう一度

2023年7月16日(日)
7:30~放送

日本テレビ『シューイチ』

 

※詳細は『シューイチ』ホームページにて予告をご覧ください。
※『シューイチ』は情報番組のため、緊急事態や大きなニュース発生した場合は延期、または中止となる場合がございます。ご了承くださいませ。
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普段から万年筆を持ち歩く方も多いと思いますが、
旅行の時など数日家を空ける場合はインクの補充が心配な方も多いのではないでしょうか。

そんな時、両用式の万年筆であればスペアのカートリッジを持っていく手段がありますが、ボトルインクしかない愛用の色を使いたい場合、瓶ごと持ち運ぶのは重いしかさばる…

今回はそうしたインクの持ち運びに便利なグッズを紹介したいと思います。

▪ビスコンティ トラベルインクポット

イタリアの筆記具メーカー、ビスコンティが開発したトラベルインクポットは
まさに今回のテーマにぴったりな、機能的なインクポットです。

【使用方法】
1.本体のキャップを取り、付属のスポイトで窓部分の線までインクを入れる。

2.万年筆の吸入ピストンは押し下げた状態(コンバーターも同様)で、ペン先を本体にしっかりと差し込む。

3.本体が万年筆の上側に来るように持ち、ペン先がインクに浸った状態で吸入する。

吸入後、インクポットが下、万年筆が上にになるように戻し、インクポットから差し込んである万年筆を外したら本体は蓋をし、万年筆に付着した余分なインクをふき取って吸入完了です。

逆さにして吸入する仕組みにより、少ないインク量でも吸入しやすい構造となっています。
インクポットのキャップのなかにはインク吸い取りのためのスポンジが入ってるので、スムーズかつスピーディに
外出先でのインク交換が可能となります。

本体は16mm×128mmと、太めの筆記具程度のサイズなので、ペンケースにも収められ、携帯性も考慮されており、おすすめです。

VISCONTI ビスコンティ アクセサリ ユニバーサルトラベル インクポットのお買い物はこちら >>

▪キングダムノートオリジナル スポイト付きインクボトル 30ml

キングダムノートオリジナル商品では正にベストセラーの中の1つ。
ふた部分にスポイトが一体化したインクボトルです。
シンプルなスクエア形状なので、サイズが大きかったり特殊な形状のインクボトルから移し替えることで持ち運びがしやすくなります。

スポイト付きなのでこぼしたり手を汚す心配も軽減できます。
さらに開口部が大きいので、太い軸の万年筆でも吸入がしやすい点でもおすすめです。
KINGDOM NOTE キングダムノート スポイト付きインクボトルのお買い物はこちら >>

▪セーラー 空インクボトル 10ml

次にご紹介するのは、先ほどと同じく空のインクボトルですが
セーラーから登場したこちらのインクボトルは10mlの特に小さなサイズの空きボトルです。

書き込み用のラベルが付属するので、入れたインクの色がわからなくなることを防げる親切仕様。
こちらもシンプルな形状ですが、より小さなサイズなので複数の色のインクを持ち運びたい方には
こちらがおすすめです。
SAILOR セーラー 空インクボトル 容量10mlのお買い物はこちら >>

いかがでしたでしょうか。
インクを携帯する手段も、使い方によって様々な方法が考えられます。
この記事が気づきとなり、快適な万年筆ライフの一助となれば幸いです。
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次回は、
そもそもインクは持ち運びたくない!
カートリッジも持ち運びたくないのだ!
という方の為に、
軸内に一般的な量よりも多くのインクを保持できる万年筆を紹介いたします。

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独創的かつ革新的な
シェーファースノーケル -前篇-

2023年07月05日

みなさまこんにちは。
唐突ではありますが、好い筆記具とはなんでしょうか。

書きやすい、手に合う。
長く使う事ができる、美しいデザイン。

様々な意見があるかと思います。
その答えはなかなか出ず、だからこそ筆記具は面白いのですが、私個人は手にした時に心躍る、そんなペンが好きです。

手にするとき、文字を記すとき。
また、それをペンケースへ戻すとき、
心弾むような、わくわくするようなそんな筆記具。

心躍ると言いましても、感じ方は人それぞれかとは存じますが、心躍る筆記具という存在を共感いただけたら…と、そんな思いで文章をつづっております。

今回は、私の思う心躍る筆記具の一つとして、
「シェーファー スノーケル」をご紹介いたします。

「スノーケル」という非常にユニークな万年筆の誕生に至るまでには、先ずは、SHEAFFER シェーファーという会社の説明を…。

少し長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。

アメリカを代表する万年筆メーカーの一つとして知られるシェーファーは、ウォルター・A・シェーファー氏が1907年にレバー式吸入機構を発明したことを端に発し、1913年にアメリカのアイオワ州フォートマディソンで創業しました。

当時、画期的なインク吸入方式であったレバー式の万年筆の発明により、シェーファーは成功をおさめて新興メーカーながら短い期間に市場の一角を占めるようになります。

1920年に”生涯保証”を謳って発売された「ライフタイム」は、他のブランド製品と比べて約3倍と高価であったにも関わらず、当時のアメリカでもっとも売れた筆記具となりました。

1924年に導入された「ラダイト材」を用いた鮮やかなジェードグリーンのセルロイド製品は、戦前における華やかなカラー軸の一大ムーブメントを引き起こし、その天冠に設けられた「ホワイトドット」はシェーファーのブランドアイコンかつ高品質の証明となりました。

その他にも、1929年発売された上下が尖った外観が特徴的なモデル「バランス」は、現在一般名詞として使われるバランス型の名前の由来となっています。

このように功績を上げればきりがないほど、革新的なモデルをいくつも生み出したシェーファーは、長い筆記具の歴史のなかでも燦然と輝くメーカーのひとつですが、同時に愛好家の心をつかんで離さない、独創的な機構をいくつも生み出しているメーカーでもあり、レバー式の発明に始まった、その歴史の中でも「スノーケル式」は独創的かつ革新的な吸入方式でした。

さて、ここからがようやく、本題のスノーケルの話となります…

「シェーファー スノーケル」は1952年に初代モデルが発売され、1968年まで製造されました。

その吸入方法は、同社で1949年に採用されたタッチダウン式と同様に、尻軸シリンダーを押し込む際に生じる空気圧を利用して、軸内のゴムサックを圧縮し、ゴムサックの復元力でもってインクを吸入するというものですが、その最大の特徴は、製品名でもあるスノーケル管(下記画像参照)を用いることにより、ペン先をインクに浸けずに行われる吸入動作です。

下記の説明書の通りですが…吸入動作は概ね以下の流れです。

1.尻軸を回すことでペン芯内を貫通する細いスノーケル管が繰り出して、尻軸シリンダーを引き出す。

2.スノーケル管の先端部分のみをインクに浸けた状態で尻軸シリンダーを押し込み数秒間待つ。

3.尻軸を回してスノーケル管を格納する。

スノーケル管を用いての吸入動作を行うことで、インクが付着する部分はスノーケル管のみとなり、インク吸入のさいにペン先を拭う必要がなく、吸入後すぐに筆記することが可能な構造を実現しています。

複雑かつ見た目のインパクトも大きなこの構造ですが、個人的な意見としてはスノーケルは量産された万年筆の中で、もっとも成功したメカニカルな吸入機構ではないかと思います。


・上二枚 → 繰り出されたスノーケル管
・左下 → スノーケル管先端部アップ
・右下 → ペン芯に収納された状態

このような複雑な吸入機構が誕生した背景には、
第二次大戦後にボールペンが普及してきたことがあります。

従来の筆記具市場は万年筆の独擅場といって差し支えないものでしたが、ボールペンという新たな筆記具の登場によって、そのシェアを大きく奪われていきました。
(クロスのクラシックセンチュリーは1946年発売)

その為、ボールペンの台頭に対抗するために、ボールペンのようにインクを簡単に補充することを目指して、各社でインク補充方式の試行錯誤が行われており、その中でシェーファーの出した答えがスノーケルだったのです。

そのため発売当時の広告では「ENDS “DUNK FILLING”」と大書されているように、ペン先をインクに浸けずに吸入が完結し、拭きとる手間がないことを利点を訴えています。

この”dunk free”を宣伝するために、シェーファーは多くの著名人を広告に採用するなど、創業以来で最大のキャンペーン活動を行い、社運をかけてこの吸入機構の革新性と使いやすさを宣伝しました。

また同時に多くのカラーバリエーションとラインナップ、そして字幅(16種類!!)を展開する力の入れようでした。

結果として、スノーケルは大ヒットを記録することとなり、シェーファーは市場のトップメーカーへ返り咲き、1950年代のシェーファーを代表する商品として、後世まで語り継がれることとなりました。

いささか長い文章になってしまいましたが、大まかにスノーケルについてお分かり頂けたかと思います。

外観上大きな特徴で、注射針やストローにも例えられるスノーケル管のインパクトは大きく、井上ひさし氏の小説『四捨五入殺人事件』にて殺人のトリックに用いられるなど様々な逸話にも事欠かないスノーケルですが、実際にスノーケルの万年筆を使用してみると、その見た目の奇抜さに相反して、よく考えられた構造と高い信頼性をもち(ゴムサックなどのメンテナンスは必須ですが)、当時のシェーファーの技術水準の高さを感じさせます。

私自身、はじめて見たときにはものすごい衝撃を覚え、何度も水を吸っては出してを繰り返して、何日も飽きずに観察していました。

当初の目的としては、簡便なインク吸入を求めて生み出された万年筆ですので、吸入動作を楽しんでいるのはすこし逆説的ではありますが、それでもこのスノーケル管を通してインクの補充するたびに心躍るものがあります。

 

具体的なモデルの解説については、後編に続きます…

SHEAFFER スノーケルのお買い物はこちら >>

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【参考サイト】
Jim Mamoulides(2001).”The Snorkel: A Sheaffer Innovation In Filling”.PenHero.com.
https://penhero.com/PenGallery/Sheaffer/SheafferSnorkelGuide.htm,2023年5月30日閲覧

Jim Mamoulides(2016).”Sheaffer Snorkel 1952-1959″.PenHero.com.
https://penhero.com/PenGallery/Sheaffer/SheafferSnorkel.htm,2023年5月30日閲覧

F.G. Thomas.”Fifty Years of Sheaffer Fountain Pens 1953 – 2003.”.sheaffertarga.com.
https://www.sheaffertarga.com/Sheaffer%201958%20to%202003/Sheaffer%20Pen%201958%20to%202003.html,2023年5月30日閲覧

F.G. Thomas.”WALTER A.SHEAFFER.”.sheaffertarga.com.
https://www.sheaffertarga.com/Sheaffer%20History/History%20of%20sheaffer.html,2023年5月30日閲覧

日本筆記具工業会,”<万年筆の歴史>詳細年表”.日本筆記具工業会.
http://www.jwima.org/mannehitsu_web/01rekishi/rekishi_nenphou.html,2023年5月30日閲覧

【参考文献】
すなみまさみち/古山浩一(2007).『万年筆クロニクル』.枻出版社
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YARD・O・LED
受け継がれるメカニズム

2023年06月30日

創業1822年。
創始者サンプソン・モーダンが、1882年頃に12本の芯を胴軸に収納する世界初の画期的な繰り出し式ペンシルを発明し、その歴史が始まります。

1934年。
英国にてブランドを設立した YARD・O・LED -ヤード・オ・レッド-。

『1ヤードの芯』という意味のヤード・オ・レッド。
3インチの芯が12本、胴軸内に格納され、全部で36インチ=1ヤードになることからその名がとられています。

以来、この機構や当時主流であった1,18mm芯、19世紀当時流行していたデザインで筆記具を作り続けています。

そんな伝統的な繰り出し式ペンシルはノック式と異なり、
内部パーツを取り出して芯交換を行います。

ヤード・オ・レッドの美しさに憧れて手に入れたものの、
『これは一体どうやって芯を入れるのか…?!』
キングダムノートにも年に数回、困惑してお問い合わせが入ります。

今回は動画にて芯交換のレクチャーを行います。

①天冠内部パーツを反時計回りで取り出す


②芯を固定しているリードホルダーをスライドさせる


③リードホルダー右の凹凸部分と左の凹部分をしっかりと固定し、先端に向けて押し出し芯を外す


④胴軸の留めネジを反時計回しで取り外し、ストック芯を取り出す


⑤取り出した芯をリードホルダーに装填してスライドさせる


⑥内部パーツを胴軸に時計回しに収納する


⑦天冠を時計回しに回し続け口金から芯が出るのを確認して完了

今でこそ、メカニカルペンシルといえばノック式が多く採用されているなか、創業当時から変えることなく繰り出し式をハンドメイドで作り続け伝統を受け継いでいく、古きを愛するイングランドらしさ溢れる筆記具ブランドです。

YARD・O・LED -ヤード・オ・レッド- のお買い物はこちら >>

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現代の名工による不朽の名品

2023年06月25日

セーラー すす竹万年筆

大ぶりのサイズ感と、竹材でできた軸で圧倒的存在感を誇るすす竹万年筆。
天然素材ゆえ節の位置や数がそれぞれ異なり、一本一本異なる造形や色味も魅力です。
節が全くない個体も存在します。

すす竹は、日本古来の建築物である茅葺き家屋の屋根床材が、囲炉裏の煙によって100年以上燻されたものです。

煙の当たり加減により茶褐色や飴色に変色し、複雑な深みや時代を感じさせる個性的な表情が生まれます。

長期間燻されていることから紫外線に強く、天然の素材にありがちな日焼けや変色などがほとんどありません。

茅葺家屋の減少により、すす竹そのものの数が希少傾向にあります。

その為、セーラー万年筆でも増産をすることが出来なくなり、現在では製造終了。
その後、年月の経過とともに徐々に幻の名品となって参りました。

セーラー万年筆が制作するすす竹万年筆は、京都洛西の旧家の屋根裏で150年以上、囲炉裏の煙によってゆっくりと燻されたすす竹が使用されています。

茅葺屋根の古民家

竹という植物の特性上、節の位置や径が一本一本異なり、重心の位置や胴軸の長さを均一にすることは非常に困難を極めます。

手間をかけ丁寧に厳選された素材を使用した万年筆は、別のモデルではないかと思うほど個体により表情が異なります。

そして、ペン先は存在感のある軸に相応しい長刀研ぎ。
長原宣義氏によって考案された名ペン先は継承され、現在も限られたペン先職人のみで生産されております。
生産が追い付かず度々受注が休止するなど、国内外問わず人気の高いペン先です。

長原宣義氏の刻印が彫られた純金プレート

トメ・ハネ・ハライが美しく書ける漢字に適した精緻なペン先により、滑らかで快適な筆記をお楽しみいただけます。


長刀研ぎの過去ブログはこちら >>

長原宣義氏の代表作とも呼ばれるすす竹万年筆は希少性も高く、
手元に置いてずっと眺めていたくなるような、まさに一生ものの名品です。

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店舗限定<br>『雨の日キャンペーン』

店舗限定
『雨の日キャンペーン』

2023年06月19日

街路樹の緑が深みを増し、
雨の合間の晴れた日が少し夏めいてまいりました。

お足元悪い中、ご来店いただくお客様に少しでもお喜び頂きたいという思いから、
梅雨の期間限定で『雨の日キャンペーン』を開催します。

【期間】
▪2023年6月20日(火)~気象庁発表の東京地方梅雨明け宣言まで

【内容】
▪店舗限定
店舗情報はこちらから
▪税込10,000円以上の商品全品5%OFF
※特価品除く
▪新品レオナルド アウロラ筆記具 10%OFF
※特価品除く
▪買取成立総額10,000円以上で5%UP
※買取成立総額5,000,000円/最大で250,000円UPまでを上限とします。

【適用条件】
▪当日、午前9:00時点の気象庁が発表する東京地方降水確率が50%以上
 ※50%以下でも当日雨が降り始めた場合は急遽開催します。
気象庁天気予報はこちらから
▪LINE友だち登録していただいた方、もしくは既にしていただいている方
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【案内方法】
▪開催当日の朝にTwitterで告知
※当日途中開催を決定した際も都度Twitterで告知をします。

【ご注意事項】
▪当日、途中開催を行う場合はキングダムノートが位置する新宿の天気で判断をします。
▪台風などの悪天候で、明らかに危険を伴う際の無理なご来店はお見送りください。

恵みの雨…紫陽花が美しい…など魅力も沢山の日本の梅雨。
ただ、少しばかり蒸し暑くて過ごしにくい気候というのは皆さま共通だと思います。

 

是非『雨の日キャンペーン』開催の、
この機会にキングダムノートで楽しくお買い物をしていただければ幸いです。

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清王朝を象徴する五爪の龍

2023年06月17日

モンブラン
清王朝 -Qing Dynasty- リミテッドエディション2002

国や時代によって姿、立ち位置を変えながらも一貫して力や富の象徴として存在した龍。
特に中国では、古くから多くの生物が行き着く先、護国の神、皇帝の象徴など様々に描かれてきました。

このペンには三体の龍が描かれています。

一体はペン先に少しコミカルな笑う龍。

キャップにはクリップを境に上下に向かい合う迫力のある二体の龍。

この三体の龍には清王朝を象徴する1つの共通点があります。

それが五つの爪を持つ龍であることです。

この龍は五爪の龍と呼ばれ、清王朝を代表するシンボルの一つといえます。
様々な生物が龍となる伝説が残る中国において、清王朝時代には最高位に位置する龍として、皇帝の象徴として用いられたものが五つの爪を持つ龍です。

それ故に、皇族には四爪の龍、役人や平民などは三爪の龍のみが下の階級の象徴として使用を許され、五爪の龍を皇帝以外の者が用いた場合は犯罪者として重い罰を課せられたそうです。

演舞等で皇帝の役柄を演じる際にも、四爪の龍までしか用いることが許されず、暦の十二支でも多くは四爪の龍が用いられていることから、五爪の龍が皇帝の象徴としてどれほど広く認知されていたのかということが分かります。

キャップの素材に使用されている翡翠は、中国において古くから仁義礼智信の五徳を持ち、福を象徴するものとして重宝されてきました。

五爪の龍が用いられた時代と同じ清王朝の西太后は、多くの悪行から中国三大悪女としても知られる女性ですが、同時に翡翠の熱狂的な収集家としてもよく知られた人物でした。

権力者を魅了し、その身を飾ったことから冨や財産の象徴としての側面もあるという所説も…。

中国最後の王朝を象徴するテーマとして、相応しい二つが掛け合わされたペンになっていると言えます。
激動の時代に生まれた文化が刻み込まれた逸品です。

モンブラン 清王朝 -Qing Dynasty- リミテッドエディション2002 のお買い物はこちら >>

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“偉大なる者”<br>の称号が名付けられた万年筆

“偉大なる者”
の称号が名付けられた万年筆

2023年06月14日

ビスコンティ
リミテッドエディション イル・マニーフィコ ラピスラズリ

ルネサンス時代の最も強力で熱狂的な後援者の一人
ロレンツォ・“イル マニーフィコ” ・デ・メディチの、芸術とフィレンツェの伝統に対する大きな情熱を讃えたモデルです。

イタリア語で“Il Magnifico -イル・マニーフィコ-”は、
“偉大なる者”の意味で君主に使われた称号です。

“Il Magnifico -イル・マニーフィコ-”
だけで通るのはロレンツォ・メディチのみ。

実業家、外交官、政治家、そして学者の後援者だったロレンツォ・メディチは、ルネサンス時代の最も強力で熱狂的なパトロンとして今もなお語り継がれています。

ボディはフィレンツェ洗礼堂からインスピレーションを得た八角形。

いぶしのような加工が施されたバーメイルのキャップと尻軸には、メディチ家のメディチ家古代のユリ紋章があしらわれています。

胴軸は天然石のラピスラズリが贅沢に使用されています。

ペン先は18K。アンティーク調な首軸のパーツもあじがあります。

世界限定188本。

イル・マニーフィコはシリーズとなっており、他にも異なる天然石があしらわれたモデルが存在します。

このシリーズは天然石が異なっても全てルネサンス調の雰囲気で統一されており、手に取ると芸術の世界に迷い込んでしまうような美しいシリーズです。

ビスコンティリミテッドエディション イル・マニーフィコ ラピスラズリのお買い物はこちら >>

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アートとペン<br>~エス・テー・デュポンと印象派~

アートとペン
~エス・テー・デュポンと印象派~

2023年06月12日

筆記具がお好きな方は、フランスの高級筆記具ブランドとして「S.T.Dupont -エス・テー・デュポン- 」の名前をご存じの方も多いかもしれません。

もともとは、フランス パリに住む上流階級の人々に向けた旅行鞄の製造から始まり、創業者であるシモン・ティソ・デュポンが1872年にパリのデュー通りに工房を設立しました。

実はそんなデュポンの記念すべき誕生の年に、美術界においても非常に重要な作品が描き上げられていたのです。

▪ピエール=オーギュスト・ルノワール
『クロード・モネの肖像』

19世紀のフランスを代表する画家のひとり「クロード・モネ」。
『睡蓮』のシリーズ等が有名ですが、特に『印象 日の出』は、後に「印象派」と名付けられた芸術運動の名前の由来となったことでもよく知られている作品です。

そして、本日のテーマとなる作品がこちら。
1872年に描かれた本作はフランス北西部の都市、ル・アーヴルの港町にあるホテルの窓から見える風景が描かれています。

▪クロード・モネ
『印象 日の出』

独特な構図で広く取られた水面には反射する太陽の光と波の様子が厚く目に見える筆跡で塗られ、全体のバランスをとるためにあえて細部は簡略化した描き方にするとともに、日の光による暖色と水面の寒色で画面全体を覆った非常に大胆な色彩が特徴的です。

モネが残した作品は、それまで良しとされてきた絵画のあり方とはかなり方向性の異なるものでした。

18世紀中頃まで、フランスでは「新古典派」が主流の時代で、正確なデッサンに基づく写実的な画風や落ち着いた色彩、荘厳なテーマを持つ歴史的、宗教的な絵画がもてはやされていました。

しかし、モネ自身の理想や芸術学校で出会った仲間の影響もあり、より自由な色彩や筆跡が目に見える描線を多用し、「新古典派」では低俗なものとして扱われた風景画や実生活の風景を扱った作品を制作するようになります。

モネをはじめとした複数の画家がこうした特徴のある作品を発表するようになりましたが、当初は周囲の評価は低く、「新古典派」の影響が強いサロンに出品を果たしてもあまり受け入れられず、なかなか売れませんでした。

「印象派」という言葉自体も、もともとは皮肉を込めて、悪意のある表現として評論家が出品されたモネらの作品を評したものでした。

それでも自身の表現を貫き、徐々に顧客を増やしていった結果、海外、特にアメリカの市場での売れ行きが良く、そこから逆輸入的にフランス国内でも改めて評価されることとなりました。

現在では、「印象派」の画家や作品は日本でも人気が高く、企画展でも見られる機会が多いですが、評価されるまでの道のりは決して短くはなかったようです。

美術史において非常に重要な意味を持つ作品となった『印象 日の出』ですが、その作品と同じ長さの歴史を歩んできたエス・テー・デュポンとのコラボレーションはとても意義深いものだと感じます。

そして、今回ご紹介するモデルはエス・テー・デュポンのフラッグシップモデル。
ラインDをベースに、デュポン独自の漆の調色技術によってクロード・モネの名作を再現したモデルです。

▪リミテッドエディション ラインD モネ

キャップチューブは、モデル名にもなっているモネの代表作「印象、日の出」の絵画を再現したデザインが施されています。
職人の手作業により、奥行きのある画面が天然漆と顔料によって美しく表現されています。

胴軸には、水面の波のさざめきを想起させる、陰影のある深いブルーの天然漆が施され、キャップチューブに描かれた水面により一層の広がりを感じさせてくれます。

胴軸リングには、天然漆を使用した製品にのみ刻印される”漆の葉”のマークが施されています。

エス・テー・デュポンと、クロード・モネの『印象 日の出』それぞれが誕生した、記念すべき年”1872″を称え、万年筆とボールペンはそれぞれ1872本限定で生産されました。

フランスのみならず、世界的に影響を与えたエポックメイキングな絵画作品を筆記具の軸に見事に落とし込んだ、芸術性の高い逸品です。

エス・テー・デュポン リミテッドエディション ラインD モネのお買い物はこちら >>
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とびだす地球儀!!-アースボール-

とびだす地球儀!!-アースボール-

2023年06月09日

キングダムノートでは筆記具や紙製品の他にも、
書斎やデスク回りでお使いいただける文具やインテリア小物、ゲームなども取り扱いをしています。

筆記具以外にも豊富な品揃え!!筆記具以外のアイテムはこちら>>

その中でも人気が高いのが地球儀
小振りでカジュアルなものから、書斎に置くような重厚なデザインまで様々ですが、
今回は「ほぼ日のアースボール」をご紹介します。

一般的な地球儀とは違い、スマホやタブレットをかざして見る地球儀です。
カメラ機能が付いているので、現れた画像を撮影する事も可能です。

コンテンツは20以上。

▪いまの地球
→全世界の「今」の天気、気温、その変化の様子を見る事が出来ます。
台風が沖縄に近付いているのがリアルタイムで分かります。

先日の台風2号 Mawar -マーワー-

▪地球図鑑
→世界の建築物や遺跡、動物、乗りものなど各地のランドマークや歴史を、写真やテキストで知ることができます。

▪世界の国々
→世界各国の国旗が表示され、その国の基本情報を知る事ができます。

他にも
・動物図鑑
・世界遺産
・四季の昼と夜 など…
子供から大人までが楽しめる、充実の内容となっています。

私も以前、6歳の姪にプレゼントしました。
アプリの操作にもすぐに慣れて、
今では私よりも多くの機能を使いこなせているようです。

私が特に好きなのは「恐竜図鑑」

その地域にどんな恐竜が生息していたのかを見る事ができます。
三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と時代ごとに切り替えて見る事も。
これを見るまでは正直恐竜の分布なんて考えたことがなかったのでとても興味深いです。
また、恐竜の絵をタッチすると詳しい情報も見られます。

そしてアースボールの人気を受けて新たに発売されたのが、
「アースボール ジャーニー」

はじめから国が色分けされていて、
大きさも「アースボール」よりひとまわり大きく、より本格的で分かりやすくなっています。

また、「アースボール」は樹脂製ですが、「ジャーニー」は表面に紙を使用。
歪みのない正確な地図を表現するため日本国内の工場で、ひとつひとつ丁寧に作られています。
落ち着いた色の本体が木製の台座とマッチしてインテリアとしてもおすすめ。

国ごとに代表する生き物や名所のイラストが描かれているのもかわいらしいです。

「ジャーニー」は英語で「旅」
さまざまな国と地域の文化や歴史の違いを
もっと旅するように楽しんでほしいと付けられた名前です。

これから何年振りかに、
待ちに待った海外旅行に行かれる方も増えてくると思います。

訪れる国の今の気温は?
どんな動物が生息してる?
どんな国旗なの?

と調べながら、旅の計画を立てるのも楽しいのではないでしょうか。

ほぼ日のアースボールのお買い物はこちら >>
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900番台のトレド達

900番台のトレド達

2023年05月31日

Toledo -トレド-
イスラム文化が彩る世界遺産スペインの古都トレド。

スペイン語で『Damasquinado ダマスキナード』と呼ばれる、
美しく繊細な象嵌細工の歴史が根付く街としても知られています。
この街の名前がモデル名としてとられています。
※実際にトレドの職人によって彫刻が施された訳ではありません。

▪#910 シルバートレド
別名 「グラントレドM910シルバー」とも呼ばれています。
1992年~1999年の約7年間製造されていました。

▪M910 トレド ブラック
2012年に「#910 シルバートレド」の復刻版として発売された特別限定品です。
日本国内で限定180本という少ない販売本数で即完売となりました。
海外では「M910 トレド ブラック シルバー」とも呼ばれています。

当店スタッフでも正直混乱することがある、
「M910 トレド ブラック」と「#910 シルバートレド」の違いを比較してみます。

【天冠】
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

「#910 シルバートレド」はブラック樹脂製の土台に金属ロゴプレート埋め込まれた天冠パーツです。
くの字状の抽象的な雛が2羽。

「M910 トレド ブラック」は現行のシルバートリム仕様の金属天冠パーツです。
鳥の形の雛が1羽。

【クリップ】
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

比べてみるとペリカンの表情が違います。

「#910 シルバートレド」は丸みがある優しいお顔立ち。

「M910 トレド ブラック」はキリっとしたクールなお顔立ち。

【ペン先】
共に18金ペン先です。

「#910 シルバートレド」は2色のバイカラーペン先。
18C-750 PF刻印。くの字状の抽象的な雛が2羽。

「M910 トレド ブラック」は1色のロジウムペン先。
18C-750刻印。鳥の形の雛が1羽。

M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

【尻軸】
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

「#910 シルバートレド」は最下部テーブルにシルバープレートが埋め込まれています。

「M910 トレド ブラック」は現行仕様の樹脂製パーツ。

【胴軸】
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

彫られているペリカンのデザインは一緒です。
年代によってペリカンの表情が変わるという所説もありますが、
現行のトレドでも個体で微妙に異なります。

「#910 シルバートレド」はぽってりとした愛らしい姿…?

「M910 トレド ブラック」は細身でキリっとした姿…?

【刻印】
スターリングシルバーである925刻印や製造番号刻印も微妙に異なります。

925刻印
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

製造番号刻印
M910 トレド ブラック    #910 シルバートレド

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900番台のトレドには
ゴールドの「M900トレド」またの名を「M900 ビックトレド」もあります。
材質も異なりますが、彫刻もシルバーとは異なるデザインです。

ペリカンは口を閉じています。

対面側の彫刻はシルバーとは全く異なる構図です。

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とても奥が深いトレドモデル…。
続きはまたの機会にご紹介できればと思います。

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モンブラン コンバーター
スターウォーカープリント入り

2023年05月27日

モンブラン スターウォーカー

スタイリッシュなデザインで人気のスターウォーカー。
その名の通り、星の中を歩くことをイメ-ジした、ロマン溢れるモデルです。
ドーム状の天冠部には、モンブラン伝統のホワイトスターが浮かび上がります。

高い人気を誇るスターウォーカーコレクションですが、
モンブランの代表的なモデル、マイスターシュテュック#149や#146の吸入式とは違い、
カートリッジ式となっています。

そんなスターウォーカーに、専用コンバーター付きのモデルが登場しています。

▪スターウォーカー ウルトラブラック プレシャスレジン

▪モンブラン 万年筆 スターウォーカー ブラックコスモス プレシャスレジン

今まで通りカートリッジインクを使用することもでき、
コンバーターにインクを吸入して使用することもできる「カートリッジ、コンバーター両用式」です。

コンバーターには「Use with starwalker only」と刻印がされています。

当店でも、上記モデルが中古品として数点入荷しており、

商品説明の機構の欄に、「カートリッジ、コンバーター両用式」、
コンバーターが付属している場合は付属品の欄に、
「コンバーター(スターウォーカープリント入)」と記載して販売しております。

また、コンバーター単体での販売もございます。
ヨーロッパタイプのコンバーターと同形状になっておりますが、
我々、拘りがある万年筆ユーザーにとっては「Use with starwalker only」のプリントがあることは、気分が上がる要素の一つとなるのではないでしょうか…

尚、全てのスターウォーカーに適合するのではなく、
製造年代やモデル、個体差によって、
スターウォーカーでも適合しない場合がありますのでご注意ください。

店頭では見本を用意しております。
お手持ちのスターウォーカーが適合するか確認したい場合はお気軽にスタッフまでお声掛けください。
また、インターネットでスターウォーカーをご購入の際に、
コンバーターが使用できる個体なのか否かもご注文時にお問合せいただければ現物確認対応させていただきます。

現在は世界情勢の影響で、インクの入荷が大変少なく、
ご購入できるインクのお色が限られていますが、
今後情勢が落ち着き、インクが入荷するようになれば、
様々な色のインクを楽しむことができるかも知れません。
ボトルインクのコストパフォーマンスの良さも魅力です。

両用式になりインクの選択幅も広がったことで、
シンプルで美しいデザインのスターウォーカーを、
更に多くの方に楽しんでいただけたら嬉しく思います。

モンブラン スターウォーカーのお買い物はこちら >>
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ドイツペリカン社が<br>日本仕様で作ったペン先がある?!

ドイツペリカン社が
日本仕様で作ったペン先がある?!

2023年05月24日

一昨年、
「ペリカンが日本の漢字に適した筆記が出来る日本仕様のペン先を製造している」
という話が出回り一時期、話題となりました。

当店にも
『日本向けペン先を探しています』
『日本向けペン先ですか?』
というお問い合わせが多く寄せられました。

その個体は通常のペン先と混ざって各販売店に入荷するという事で、
求める字幅のその個体を探すために、
当店在庫全てのご試筆をご希望されるお客様が多くご来店されました。

メーカーへ事実確認をしたところ

『日本仕様のペン先は存在しません。
過去に製造されたこともありません』

との回答でした。

一瞬、
「万年筆大国ドイツの大手メーカーであるペリカンが、
我々、漢字を書く日本人のためにペン先を調整している?!」
と、夢のような話が脳裏をよぎりましたが、
その日本仕様のペン先の個体は幻となりました…。

恐らく「個体差」のことを示した、
販売員のセールストークから出回ってしまった情報かと察しています。

例えば『ペリカンのFの中でも比較的細めの個体なので、漢字にも適していて使いやすそうです』が、
いつの間にか『日本仕様のペン先』に変化してしまったのでは無いかと予想しています。

ペリカンのペン先を画像で紹介します。

EF

F

M

B

字幅が太くなる程、徐々にペンポイントがペン先に沿って楕円になっていきます。

実際、筆記をしてみると違いはどうでしょうか…。

今回、試筆に使用した個体は全て新品ですが、
この個体に関してはEFよりもFの方が若干細く見えます。

また、上下の字幅よりも1個飛ばしになると字幅の違いがはっきりとします。

ご覧の通りペリカンだけでは無く、
特に舶来の万年筆は同じ字幅でも「個体差」が必ずと言ってもよい程あります。

各字幅ごとにペンポイントに使用されるイリジウムの量は決まっていますが、
成形された時の微妙な形状で実際筆記した時の太さに微妙な違いが出来ます。

それは、それぞれの国柄やその国の人柄の特徴が出て万年筆の面白い一面でもあります。
特にイタリアは同じモデルでも「細字より中字の方が細い…」という事が普通にあります。

そう考えると国産は個体差が少なく、一定の基準が守られている…
我々日本人の正確さと、繊細さ、それに伴い求める基準の高さが納得できます。

舶来の万年筆を選ぶ際は許容の気持ちを少し広めに…

万年筆という道具の不完全であるからこその魅力。
その不完全さの中に見出す魅力を感じることが醍醐味とも言えるかもしれません。

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「長刀研ぎ」を語る -其の壱-

2023年05月18日

セーラー万年筆 長刀研ぎ

広島県呉市に工場を構えるセーラー万年筆(以下、「セーラー」)は、
1911年の創業以来かわらず広島の地で万年筆を作り続ける日本を代表する万年筆メーカーの一つです。

「ふでdeまんねん」や「シャレーナ」などの独創的かつ斬新な製品を多く出しているメーカーですが、
その中でも、セーラー製品の代表格といえるのは「長刀研ぎ」ではないでしょうか。

まず、長刀研ぎペン先の由来について、
いくつかの記載が見つかりましたので、ふたつの文を引用します。
 ****************************************
 長刀研ぎ
 長刀(なぎなた) 研ぎは、セーラー万年筆の創業当時からの伝統のある研ぎ方。
 海外のペン先は欧文用に丸く研がれていることが多い。
 これに対し長刀研ぎは、日本の漢字、筆文化に合わせて、とめ、はね、はらいペン先加工がきれいに書けるように長刀の形状に研ぐ。
 長原宣義氏が入社した頃に腕利きの職人であった小山郡一氏に見込まれて、研ぎ方がしっかり伝承されていた。
 長刀研ぎは昭和30年代の大量生産とオートメーション化とともに一旦姿を消すが、熱く求めるユーザーに向けて長原宣義氏は長刀研ぎを続けていた。
 1990年代以降、万年筆クリニックなどで長刀研ぎは全国的に広まり、今では味わい のあるサインが書けるということで海外でも大人気 数多くの定番モデルにも取り入れられ、最高の書き味を誰でも堪能できるようになった。
 
 ※参考文献『趣味の文具箱 Vol.6』枻出版社,2007年,p.32より
 ****************************************
 「前略)1991年頃、お客様の声を参考に「斜めにしても書ける万年筆」を目指し、
 長原宣義氏が創業当時の研ぎ方をさらに改良する形で、現代の長刀研ぎとして復活させました。」
 
 ※参考文献 セーラー万年筆公式サイト「長刀研ぎ万年筆」,https://sailor.co.jp/product/10-7111/,閲覧2023年4月29日より
 ****************************************

これらの引用文献からもわかるように、
長刀研ぎと言われるペン先は、長原宣義氏が一人で生み出されたというよりは、
以前より伝承されていた研ぎ方を、長原宣義氏が独自に昇華したものと考えられます。
その後「長刀研ぎ」を端緒に、「クロスポイント」や「コンコルド」など、
独創的な特殊ペン先が長原氏によって数多く生み出されていきます。

その特殊ペン先のお話は、また次の機会に掘り下げてブログにしてみようと思います。

さて、現在では長刀研ぎペン先の特徴は、
通常品と比べて長く大きなペンポイントと刀のような独特な形状が思い浮かび、
縦横の描線が大きく異なることによるとめ、はね、はらいが挙げられるかと思います。

セーラー万年筆 通常ペン先 中字

セーラー万年筆 長刀ペン先

しかし、一口に長刀研ぎといっても様々な形状の長刀研ぎが存在しています。

1991年頃の「復活」から現代にいたるまで、さまざまな試行錯誤が行われてきており、
いわゆる旧型の長刀研ぎは、
現行品と比べエッジが立っていない少しごつごつとしたペンポイントが多い印象で、
書き味や筆跡でも現行品とはまた違う魅力があります。

いずれも正確な年代は不明ですが今回は旧型デザインの長刀研ぎペン先と、ひとつ前の現行品の長刀研ぎペン先の計3点を紹介します。
画像では分かりづらい点があるかとは思いますが、
それぞれの長刀研ぎペン先の個性について、少しでもお楽しみいただければ幸いです。

旧型デザインの長刀研ぎペン先

ひとつ前の現行品の長刀研ぎペン先

※2023年5月現在、長刀研ぎペン先は受注停止中。在庫のみとなっております。

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映画監督と筆記具

2023年05月17日

アルフレッド・ヒッチコックと聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。

映画監督、心理サスペンスの先駆者、恐怖の演出、鳥。
果たしてそこで筆記具を思い浮かべる人はどれだけ存在するでしょう。

ヒッチコックの伝記映画として2012年に封切られた
映画「ヒッチコック」の同年に、モンブランから数量限定で発売されました。
(日本では2013年に映画公開されています)

▪モンブラン グレートキャラクターズ アルフレッド・ヒッチコック スペシャルエディション

生涯で53本もの映画を撮影してきたヒッチコックですが、
その全てが恐怖を題材としたものでした。

その中の一つ、映画「サイコ」には、
現役の映画監督に多大な影響を及ぼしたシーンが存在します。

シャワーを浴びる女性、
ナイフを持って迫る黒い影、
ナイフが翻り排水溝に血が流れていく…。

現代では珍しくもない構図ではありますが、当時としては画期的で、
三谷幸喜監督が大学時代にまったく同じ構図で撮影を試み、
ただ真似ただけで同じものが撮れてしまうほど、
よく考えられた構図だったと語っています。

その印象的なシーンは、
クリップへナイフの形で表されています。

映画「めまい」からは、
高所恐怖症から来る視覚表現としてのカメラワークや、
映画のポスターに用いられた表現を落とし込み、
ボディに施されたオプティカルパターン。

その仕上げの細かさはモンブランの技術が光ります。

フィルムロールから引用されたキャップリングのデザイン。

ヒッチコックが生涯を通じて制作した映画“53本”を表した尻軸の刻印。

万年筆のペン先にはヒッチコック自身が描いたプロファイルのポートレイト。

ヒッチコックの映画についてご存じであれば
そこかしこにちりばめられた作品へのリスペクトが見て取れると思います。

今ではこれらの傑作も古典作品としての評価が強く、
そのため娯楽として鑑賞するには少々退屈に感じるかもしれません。

単なるファングッズとしてだけではなく、
巨匠の名を戴き実用品としても優れたこのペンを手に、
名作への思いを綴ってみるのはいかがでしょうか。

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“TK9400” <br>白銀の美しく贅沢な芯ホルダー

“TK9400”
白銀の美しく贅沢な芯ホルダー

2023年05月13日

ファーバーカステル社の“TK9400”は、1948年に発売されました。
時を経て今もなお、アーティストや各分野のプロフェッショナルが信頼を寄せる、製図用ホルダーです。

今回ご紹介するのは、1998年に“TK9400”発売50周年を記念して、
世界1998本限定で発売された、特別モデルの芯ホルダー“TK9400”です。

ファーバーカステルの代名詞である鉛筆「カステル9000番」を彷彿とさせるグリーンの軸に馴染み深い六角軸、
筆記は勿論、ドローイング等にも使いやすい贅沢な2.0mm芯ホルダーです。

通常モデルの“TK9400”とは異なり、スターリングシルバー製で金属特有の重量感があります。
また、スターリングシルバーならでは、白銀の輝きが美しく、経年によるくすみを磨く楽しみを想像させます。

軸中央には有名な「鉛筆を持つ騎士の馬上槍試合」のロゴが刻印されており
世界最古の鉛筆ブランドとしての威厳が感じられます。

グリップ部分には人間工学を基に開発された、すべり止めのリブパターンが刻まれ、
安定した握り心地が筆記をより楽しめます。

重量46gと、手にした時のどっしりとした感覚は所有欲を満たす逸品です。

シルバーは「月の魔力が宿る」という一説もあります。
一日の終わりに自分の時間を穏やかに過ごすお供にいかがでしょうか。

私もいつの日か手に入れたいと切望する1本です。

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アートとペン<br>~カランダッシュとアール・ヌーヴォー~

アートとペン
~カランダッシュとアール・ヌーヴォー~

2023年05月07日

筆記具メーカーが毎年発表する数多くの新作。
限定品の中には、過去のアート作品やアーティスト本人、またはアートにまつわる出来事を取り上げたモデルが数多く存在しています。
その中から私が特に惹かれたアイテムをご紹介したいと思います。

▪カランダッシュ&ラリックリミテッドエディション ラリック クリスタル ブラック

カランダッシュの本社があるスイスのジュネーブは、フランスとの国境近くに位置しています。
そのため、文化的にもフランスの影響を色濃く受けています。

そんなカランダッシュが2014年にコラボレーションしたブランドは、香水瓶をはじめ、食器や照明、アクセサリーまでエレガントなデザインの製品を数多く手掛ける、フランスを代表するクリスタルガラスのメーカー「ラリック」でした。

ラリックの創業者であるルネ・ラリックは、はじめ金細工や宝飾デザイナーとしてキャリアを築いた後、カルティエやブシュロン等のジュエラーに作品を提供するに至り、著名人を含む多くの顧客を獲得しました。

その後、流行の変化に伴い方針の転換を迫られる中たどり着いたのがガラス工芸でした。

試行錯誤の末、宝飾品にとどまらず花瓶やテーブルウェア、香水瓶等、今でもラリックのアイテムの中心となる製品群を発表していきました。

幅広いデザイン活動は再びルネ・ラリックの人気を押し上げ、19世紀末~20世紀前半にかけてフランスでおこった芸術運動「アール・ヌーヴォー」から、その後に起こる「アール・デコ」への変革する時代の旗手として活躍しました。

現在のラリック製品も、そうした時代のデザインを色濃く反映し、コレクションによって、植物や動物をモチーフとした有機的な柔らかい線が特徴の「アール・ヌーヴォー」、そして対照的にしっかりとした輪郭を持ち、幾何学的、直線的なデザインが特徴の「アール・デコ」、それぞれの特徴を感じられるラインナップが展開されています。

そして今回ご紹介する「リミテッドエディション クリスタル ブラック」はラリックの特徴が、ベースとなるカランダッシュのモデル「レマン」に美しく調和しています。

「レマン」コレクションの持つ、キャップチューブから胴軸へと繋がるゆったりとした曲線デザインは、当時カランダッシュの「バリアスコレクション」でも使用された、セラミックを用いて形造られています。

硬質で艶のあるダークトーンのセラミックは、万年筆の軸素材としては不安のあるガラスの強度の問題を補いつつ、ラリックの与えたデザインを表現する素材として最適だったのではないでしょうか。

そして、軸の表面には1935年にルネ・ラリックによるデザインで製作された、噴水に施された「クタールモチーフ」があしらわれています。

水滴の広がりを感じさせるドット状の凸柄が軸全体に配され、単色ながらもリズムのある軸デザインとなっています。

天冠と尻軸にはラリックを象徴する、カボションカットされたサテン仕上げのクリスタルガラスセットされています。

総重量84gとかなり重めの軸ですが、「クタールモチーフ」のデザインが滑り止めの役割を果たすと同時に、「レマン」コレクションならではの握りやすい形状です。

そして万年筆は適度なしなりを持つ固めのペン先が…

ローラーボールは緩やかなカーブのグリップと滑らかなリフィルのおかげで非常に安定感のある書き心地をお楽しみいただけます。

胴軸リングには機械彫りによる立体感ある「LALIQUE」と、

「CARAN d’ACHE」の文字が彫刻されています。

万年筆とローラーボール、それぞれ999本ずつの限定生産となっており、キングダムノートへの入荷も数える程度です。

また、本作は「クリスタル ブラック」の他に、同じく999本限定の「クリスタル ホワイト」
さらに、僅か18本限定で製作された「クリスタル&ダイアモンド」が存在しています。

ラリックの美しいデザインとカランダッシュのもつ高級筆記具の製造技術が高い次元で融合した非常にバランスの取れた名作です。

カランダッシュ 万年筆 リミテッドエディション ラリック クリスタル ブラックのお買い物はこちら >>

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「Around the World in 80Days」
~80日間世界一周シリーズ~

2023年05月03日

フランスの作家、ジュール・ヴェルヌの1873年の作品
『80日間世界一周』

1872年ロンドン、資産家のフィリアス・フォッグ氏は紳士仲間と
「80日間で世界を一周する事は出来るか」
という賭けをし、自らの全財産をかけて旅に出ます。
様々な困難や出会いを経て、果たしてフォッグ氏は無事にゴールをし賭けに勝つことが出来るのだろうか…
というお話。

時間や規律に正確なフォッグは、
理論上世界一周が実現できると確信していましたが、旅にトラブルは付きもの。
想定外の出来事が次々と一行を襲い、
ようやくイギリスに帰り着きますが、しかしそこで…!
という150年前に書かれた小説ですが、
さすが冒険小説家ジュール・ヴェルヌの代表作。
作品の世界観に引き込まれてしまいます。

1870年代のイギリスというと、
まだ記憶に新しい2022年9月8日崩御したエリザベス女王の高祖母であるヴィクトリア女王が統治をしていた時代。

産業革命により近代化が進み、蒸気船や鉄道の交通手段も発達し、
急速に経済が発展した事により、人々に旅をしたり趣味を楽しむ余裕が生まれてきた時代でもあります。
ヴェルヌはそんな時代の変化に夢を感じて『80日間世界一周』の構想を得たのでしょうか…

モンブランには過去に2003年の作家シリーズ「ジュール・ヴェルヌ」がありますが、
2021年に新たなシリーズ『マイスターシュテュック 80日間世界一周』を発売しました。

シリーズは
▪レジン
▪ドゥエ
▪ソリテール の3種類。

画像上から、
▪マイスターシュテュック 80日間世界一周 #164 クラシック
▪マイスターシュテュック 80日間世界一周 #145 クラシック
▪マイスターシュテュック 80日間世界一周 #164 クラシック

軸のカラーは、旅のスタートのスエズ運河からボンベイまでの航海を表したインディゴブルー。
キャップに波の模様と一行が乗った蒸気船、ペン先には気球が施され、
天冠にはロンドンからボンベイの旅に要した(10月2日~10月20日)の日数「18DAYS」が刻印されています。

▪マイスターシュテュック 80日間世界一周 ソリテール #146 ル・グラン

天冠側面にはロンドンからボンベイまで18日間の道のり「18DAYS」のレーザー刻印。

そして第2弾として、
2023年4月にボンベイから横浜の旅をモチーフにしたモデルも登場しました。
キングダムノートではまだ入荷履歴はありませんが、いつか手に取る日が楽しみです。

余談ですが、「80日間世界一周」はこれまで何度も映像化されており、有名なのは1956年のアメリカ映画。
アカデミー賞作品賞他多数を受賞した作品でテーマ曲の「Around the World」は皆さんも必ず耳にした事がある名曲です。

また、5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン主演のテレビシリーズ「新80日間世界一周(1989)」。
私の年代がバレますが、確か当時NHK衛星(現在のBS)で3夜に渡って放送されました。

アイルランド出身のピアース・ブロスナンの醸し出す雰囲気が、イギリス紳士のイメージにぴったりで、インドで出会う女性アウダ妃を演じるジュリア・ニクソンがとても美しいのが印象的な作品です。
映像が残っておらず、今は見る事が出来ないのが残念です。

その後も映画化・ドラマ化されていますので、機会がありましたら是非ご覧ください。
モンブランのシリーズがより身近に感じられる事と思います。

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