ドイツの老舗筆記具メーカー「ファーバーカステル社」
創業は1761年と約250年の歴史を持ち、鉛筆・画材からボールペン・万年筆まで
幅広いアイテムを取扱うブランドです。
伯爵家が経営している事でも有名ですが、今回はその「伯爵」の名前を冠する
「伯爵コレクション」の最高級モデル「ペン・オブ・ザ・イヤー」のご紹介です。
2003年から販売をスタートしたペン・オブ・ザ・イヤーシリーズは、ファーバーカステ
ル伯爵コレクションの「スペシャルエディション」で、特定の貴重な素材にこだわり、
その素材の熟練の職人が長い工程を経て作り上げる限定品です。
2003 – スネークウッド
2004 – 琥珀
2005 – ガルーシャ
2006 – マンモスアイボリー&エボニー
2007 – ストーンウッド
2008 – サテンウッド
2009 – ホースヘア
2010 – シークレット・オブ・アート
2011 – 翡翠
2012 – ゴールドオーク
10種の万年筆が発売された後シリーズはリニューアルされ(価格も大幅にリニューアル
されましたが)2014年からは新たに歴史を持つ世界の宮殿へのオマージュとして
これまで3種の万年筆が発売されてきました。
【2014年 エカテリーナ宮殿 】 ロシア・サンクトペテルブルク
1718年にロシア帝国第2代皇帝エカテリーナ1世が造らせたのが始まりです。
その後歴代の皇帝が増改築を繰り返し、4代後の皇帝エリザヴェータが
現在のロココ調の大規模な宮殿を完成させました。
この宮殿で有名なのは「琥珀の間」で、部屋全体の装飾が琥珀で出来たこの部屋は
今でも「エカテリーナ宮殿」一番の観光名所となっています。
【2015年 サンスーシ宮殿】ドイツ・ポツダム
プロイセン王国フリードリヒ二世が1747年に完成させた宮殿。
「サン・スーシ」はフランス語で「憂いなし」という意味。
設計にも携わったフリードリヒ二世はこの宮殿を愛し、生涯のほとんどを
過ごしました。
また、部屋数12の平屋建てで他の有名な宮殿と比べると非常にこじんまりとしていて、
国家権力を誇示するための建築ではなく、政治から離れて寛げる場所を
求めていた事が 伺えます。
戦争により鉱工業で栄えた「シュレージェン」を獲得したため多くの天然石が
入手しやすくなり大理石、アメジスト、水晶など、数々の鮮やかな天然石が
宮殿の内装に施されています。
【2016年 シェーブルン宮殿 】オーストリア・ウィーン
元々ハプスブルク王朝の避暑地として使われたものをマリア・テレジアの時代(1749年)に
宮殿として完成されました。
マリア・テレジアは16人の子供に恵まれましたが、その内の一人がフランス国王ルイ16世に嫁いだ
「マリー・アントワネット」
政治的手腕を発揮し女傑と呼ばれたマリアテレジアとは対称的に、末娘のマリー・アントワネットは
王政に反発する市民によるフランス革命の波に飲まれ、37歳の若さで断頭台の露と消えました。
シェーンブルン宮殿はそのマリー・アントワネットが幼少期を過ごし、演奏会に訪れたモーツアルトとも
対面していたといいます。
これまでの3つの宮殿の共通点は「世界遺産」
それぞれが世界文化遺産に登録されているのです。
現在世界遺産に登録されている宮殿はその他に
イギリス「ウェストミンスター宮殿」
スペイン「アルハンブラ宮殿」
フランス「ヴェルサイユの宮殿」
中国「紫禁城」
などなど・・・。
2017年の「ペン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるのは、
果たしてどの宮殿でしょうか。