万年筆の吸入方法って沢山あったんですよ。

2013年05月14日

「万年筆」といえば、そのインクの貯蔵と吸入方法にも
特徴があり、現代の万年筆は「カートリッジ式」か
「ピストン式」の吸入式が主流となっていますが、
過去には様々な吸入機構が生み出されては、消えてゆき、
振り返ってみても、1860年代以降から現代まで以下の様な吸入バリエーションがあります。
・ディップホルダー
・アイドロッパー
・ポンプ式
・サクション式
・プランジャー式
・フラッシュ式
・ピストン式
・ソリット式
・クレセント式
・レバー式
・ボタン式
・サドル式
・ハチェット式
・呑込み式
・ノブ式
・ツイスト式
・ノバ式
・中押し式
・スリーブ式
・コイン式
・スライディング・レバー式
・クランク・レバー式
・スクイーズバブル式
・ブロー式
・レバーレス式
・アコーディオン式
・クロッカー式
・オパール・リバースレバー式
・ニューマチック式
・タッチダウン式
・スノーケル式
・ダイアフラム式
・ヴァキュマチック式
・レッドバンドフィラー式
・毛細管式
・コンバーター式
・カートリッジ式
・プッシュ&プルタッチダウン式
・ダブル・タンク・パワーフィラー式
皆さんはどれだけ、ご存知でしょうか。
または、今も現役で使用されている機構のペンをお持ちかもしれませんね。

さて、最後に出てきた「ダブル・タンク・パワーフィラー式」ですが、
吸入方法としては、パイロット社のプランジャー式と同じです。
尻軸
写真の尻尾のネジを緩め、尻軸全体を引き出し、
ニューっと引き出します

ピストン移動によって胴軸内に負圧を発生させ、大量のインクを一気に
吸入させる事が出来ます。では、プランジャー式と違うダブル・タンクとは
何の事を表しているのかと言えば、ダブル・タンクは首軸とピストンが
かなり離れています。
パワーフィラー方式は同軸全体をインクタンクとして使用しますが、
ダブル・タンク方式ではピストンが、とめ具?バルブを兼ねている為、
バルブによってインクタンクが二つに分かれています。
その事で大量にインクを蓄え、尚且つパワーフィラーでは
外気圧の変化や温度変化による同軸内の空気の膨張からインク漏れの危険性がありますが、
ダブルタンク方式ではタンクを2つに分割する事で、その危険性がより軽減されています。

単純な話では、
インクは約2.4mlも吸入出来るので一般的なカートリッジで
約0.8mlに対して、タップリとインクを入れる事が可能である。という事です。

また、そのインクについてですが、
ビスコンティのボトルインクは容器も特徴的です。
ビスコンティボトルインク
今はプラスチックの容器ですが、数年前まではガラスの容器でした。
さて、この容器からインクを吸入させる時のマナーをご存知でしょうか。
実は、下記の様にインクの容器をパッケージに収納させて
エレガントに収納
倒れない様にして吸入させる事が一番、安心です。
以前に容器が不安定に思いイタリア販売員の方にお伺いをした所、
この様に使って頂く為にパッケージも計算しているので
是非、捨てずに使用頂きたいとの事。

さて、吸入方法といえど歴史あり、
消えていったには其々、理由がある事と思いますが、
それでも何故か、愛おしく思いながら
丁寧にご愛用頂きたい万年筆もございますので、
是非、キングダムノートで色々なペンの機構・軸の質感・書き心地をお楽しみ下さい。

尚、今回紹介させて頂きました万年筆は
「ビスコンティ オペラマスターデモレインフォレスト」です。大変、美しいそのフォルムに惚れ惚れするのですが、
如何せん「大きい」のです。だからこそ、美しさ、色合いを楽しめるのですが
私には筆記具として致命的に大きいです。
我こそは大きな重量感のある万年筆が「好き」という方は
是非、お求め下さい!!

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