今回は先月発売し
大変ご好評頂いております
数量限定インク【ことわざシリーズ】の
制作過程とほんの少し差し障り無い裏話を
お話をさせて頂きます。
昨年秋ごろ
今回のオリジナルインク企画を開始し
まず今までのオリジナルインクには無い
全く新しいテイストで
人気のある一般的な色や
使いやすい色はさておき
完全に個人的嗜好で
明るく鮮やかで
気分が華やかになる様な
全6色の制作をしました。
色が決まってから
コンセプト探しに入りましたが
全6色に統一して合うコンセプトが
全く見付からず
煮詰まってかなり難航…..
これは順番を間違えたかも…..
そんな中
休日にふと立ち寄った本屋さんの
大好きな児童書コーナーで
【ことわざ】というヒントを得て
それぞれの色に当てはまることわざを
日本だけでなく世界中のことわざから探し
今回の【ことわざシリーズ】が誕生しました。
インクの名前は
それぞれのことわざから
連想する「人の性格特徴」を表す言葉となっています。
ご存知の方も多いと思いますが
キングダムノートの歴代オリジナルインクの
ボトルのイラストは全て
スタッフによってデザインされ描かれています。
今回のイラストは
今まで
本格的に絵を学んだ事はもちろん
まともに描いたことも無いスタッフが
「鉛筆」と「水筆」という
かなりアナログな道具で描きました。
今回のコンセプトが今までとは違い
「物体」では無く
形が無い「イメージ」のみの世界観の為
絵に起こすのはかなり苦戦しました。
最初の打ち合わせ後から完成まで
空想と妄想の世界に迷い込みました。
気分が乗らず発想が行き詰まり
何しても無駄の凍結状態と
逆に突然舞い降りて発想が冴え渡り
気付いたら朝だった…!!!
という状態を繰り返し
最後は期限に迫られ
数時間姿を消し
出来上がった渾身の作となっています。
改めて1つずつ紹介をさせて頂きます。
【真っ直ぐ】
スペイン語
『Tu eres mi media naranja』
~あなたは、私のオレンジの片割れ~
情熱の国スペインならではの愛情表現のことわざ。
インクの色はスペインの名産品バレンシアオレンジに
情熱的なイメージのレッドを合わせたカラー。
オレンジを2つに割ると2つの切り口は同じになり
合わせるとぴったりと一致し一つになる。
半分にしたオレンジがぴったり合わさるのは
その片割れただ一つだけ。
イラストはことわざの通り
人が人生の中で片割れを探し求め続け出逢った時に
一度カットしたバレンシアオレンジが
まるで再び1つになるかの様に
密着する2人を表現しています。
【頃合い】
ヒンドゥー語
『A ripe mango must drop』
~熟れたマンゴーは必ず落ちてくる~
のんびりでマイペースで少しルーズな
インドならではの教訓を表すことわざ。
インクの色はほんのり茶を帯びた熟れたマンゴーカラー。
熟れたマンゴーは
幸運を招くと言われる黄金色でとても甘く美味。
ただそれがいつ木から落ちてくるかは分からない。
それと同様でチャンスもいつ何時訪れるか分からない。
その突然訪れるチャンスを
しっかり掴み取る事が出来る様に
普段から意識を高めて準備万端にしておく事が大切。
イラストは今にも落ちてきそうな熟れたマンゴーの木の下で
籠を用意しいつ落ちても確実に手に入れられるよう
余裕を持ってゆったりとチャンスを待つ姿を表現しています。
話は別ですが…このイラストの作成時に
マンゴーが木から蔓にぶら下がって
実る果物という事を初めて知り驚きました。
最初に描いたマンゴーの木が
あまりにも違い過ぎて何度も画像検索をしました。
【したたか】
チベット語
~青の問いに、緑の答えを与える~
純朴な人柄で
人に対して実直でトリックが無いチベット人。
問いに困った時や答えが出せずプライドが許さない時
不器用な説明やはぐらかすような答えで
まるで訓練して熟達した芸のように
ごまかして乗り切る様を表したことわざ。
インクの色は青の問いと緑の答えが混ざり合ったカラー。
答えに困ったり答え難い問いを投げかけられ
なんとかその場をやり過ごしたいという経験は誰にでもある事。
イラストはそんな時に
的外れでもなくかといって正確でもない答えに
ユーモアと勢いでなんとかはぐらかそうとする姿を表現しています。
【ひたむき】
英語
『Rome wasn’t built in a day 』
~ローマは一日にして成らず~
具体的に誰が言ったという記録が無いですが
私たちにもなじみ深い古くから伝わることわざです。
世界中に多大なる影響を与え
かつて地中海世界全域を支配していたローマ帝国は
築き上げるまでに
約700年の歳月がかかったと言われています。
インクの色は古代ローマでは限られた権力者のみ着用が許され
「王者の紫」とも呼ばれるロイヤルパープル。
かのユリウス・カエサルも愛した色でした。
コツコツと努力を積み重ねて
初めて大きな物や素晴らしい物を得る事が出来る。
動力と時間を惜しみ要所だけをかいつまんだとて
結局、素晴らしい物や
物事の功績を得る事は不可能です。
イラストはローマの代表的な建築物コロッセウムと
その上に浮かぶ月の満ち欠けから
素晴らしい功績には長い歳月がかかる事を表現しています。
「王者の紫」という事で
他のボトルインクとは雰囲気が違う神秘的な印象に仕上げました。
【お手上げ】
フランス語
『Pedaler dans la choucroute 』
~ザワークラウトの中で自転車をこぐ~
有名なフランスの自転車レース
初期の「ツール・ド・フランス」で
レースの脱落者や時間内に走り終えられない人を収容する車
「ブルームワゴン」にザワ―クラフトの広告が
取り付けられていた事から生まれたことわざです。
インクの色は酢漬けキャベツの酸味の効いた爽やかなグリーンカラー。
酢漬けキャベツの中で自転車を漕ぐ…
果たして漕げるのでしょうか…
鼻にツンとくる酢の匂いにむせ返り
酢に漬かり湿った千切りのキャベツに埋もれ
車輪に絡まり一漕ぎも進めなくなる姿が想像できます。
まさにお手上げ状態…
イラストは空に浮かぶキャベツから
雨のように取り留めなく降り注ぐザワークラウトの中を
スピードマンがなんとか難関を抜け出そうと
一心不乱で自転車を漕ぐ姿を表現しています。
【せっかち】
アルーマニア語
『Primaureara nu s-adutsi mash c-una lilici』
~一輪の花だけが春をつくるのではない~
たった一つの出来事で物事の全ては判断出来ない。
悲しい出来事が一つ起こると
その時は全てが最悪に感じるが
その一つの事がその先の人生に与える影響は
とても小さい事が殆んどということわざ。
インクの色はアルーマニア語が使われていた
バルカン半島に多く生息するピンクのケシの花と
春を見つけた時の明るい気持ちのイメージを合わせたカラー。
一つ一つの出来事は大切ですが
その出来事に一喜一憂しながらも広い視野を持つことで
もっと大きな違う世界が見えてくるのでしょう。
イラストはまだ寒く厳しい冬なのに
一輪の花を見つけた動物が間違えて冬眠から目覚めてしまい
まだ冬ということにも気付いていない姿を表現しています。
以上全6色です。
「単純に好みの色を…」
「今の自分にぴったりのストーリーを…」
「あの人に意味を込めた贈り物を…」
「好きなイラストのボトルを…」
色んな選び方で楽しめる
ボトルインクとなっております。
文頭でも書きましたが
キングダムノートオリジナルインク初の
既存品では無く【数量限定品】です。
完売次第終了となりますので
是非お早めに手に入れて頂ければ幸いです。
同時に発売されたスケルトン軸の万年筆も
1本購入予定が
実物を見て数本購入になってしまった方や
強者ですとコンプリートしてしまう方も続出してます。
こちらもインクと合わせてお勧めです。
お気に入りのスケルトンカラーの万年筆に…
セーラーのカラーコンバーターを入れて…
そのテーマのインクを飲ませる…..
素敵です。
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