お待たせいたしました!
いよいよ発売開始の第二弾万年筆「花散里」
インクは「浅縹の織物」と「橘」の二色です。
「夏の御方」とも呼ばれる花散里は、
光源氏と正妻「葵の上」の子「夕霧」や、かつて愛した「夕顔」の遺児
「玉鬘」の養育を任されるほど信頼されていました。
花散里自身には子どもはいませんでした。
愛する人と他の女性との子どもを養育するって、
どんな気持ちなんでしょう。
自分の身の丈をわきまえ、欲張らず、決して見返りを求めない、
まさに無償の愛。
光源氏にとっては弱音を吐いたり、
愚痴をこぼしたり、癒しを与えてくれる唯一無二の存在だった事でしょう。
私も見習わなければ…。
実は第二弾「花散里」製作にはとても苦労させられました。
まず、万年筆のペン先の海賦文様の刻印。
海賦文様とは海辺の風景に波を文様化したものです。
他の女性はお花のモチーフ等イメージがしやすかったのですが、
「波」を誰が見ても分かるように表現するのは難しく、
最初はこんな感じでした。
現在の千鳥の海賦文様になるまで右往左往しましたが、
万年筆の魅力をさらに引き立ててくれる可愛らしい刻印になりました。
そして、インクです。
一種は万年筆と同じ着物の色「浅縹の織物」ですが、
もう一種の「花散里をイメージした色」がなかなか決まりませんでした。
花散里と言えば源氏が詠んだ歌
「橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞ訪ふ」
にも出てくる「橘」ですが、実は白い花。
白いインクはありなのか、需要はあるのか。
ちなみに日本では発売されていませんが、
エルバンのつけペン用の白インクというのがあるそうです。
この案はさすがに幻となりました・・・。
橘はユズに似た香りのミカン科の常緑低木で、
常緑が「永遠」を喩えるということで不老不死の木とされているそうです。
時が経っても変わらずに優しく包み込んでくれる花散里に
イメージがぴったり重なりますね。
そのため、鮮やかな常緑の緑を表現したインクになりました。
とても賢く魅力的な女性「花散里」を表現した第二弾シリーズ。
万年筆も、インクもとーってもお勧めです!
源氏物語の世界を是非ご堪能ください!!
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