今回は、大型のパイロット万年筆を2本紹介いたします。
▪左:Namiki 漆コレクション
▪右:カスタム URUSHI
[カスタム URUSHI]もまた現在のパイロットを代表するモデルです。
パイロットブランドとしては、最大の30号ペン先を採用しており、このモデルのために新たに設計されたペン先は、その大きさを生かした柔軟な書き味を実現しています。
他ブランドの[モンブラン 149]や[ペリカン M1000]と比較される大きなボディは、ラッカナイト以来のパイロットのお家芸と言える、エボナイト削りだしのボディに蝋色漆仕上げが施されています。
▪右:カスタム URUSHI
キャップ径:約17.0mm
軸径:約15.3mm
▪カスタム URUSHI
キャップ径:約20.0mm
軸径:約16.8mm
と、その巨大さがわかるかと思います。
しかし、パイロットで販売されている万年筆で、最も大きなモデルは[カスタム URUSHI]では無いと言えるかもしれません。
パイロットの蒔絵万年筆ブランドNamikiで展開している[漆コレクション]は、[カスタム URUSHI]の30号を上回る50号ペン先がつけられたモデルです。
▪漆コレクション
インキ止め機構も当時と同じです。
と公式サイトに紹介されているように、このモデルは戦前に発売されていた[ダンヒルナミキ五十號萬年筆]をベースにしています。
搭載されている50号ペン先は、定番品としては世界最大級の大型ペン先となっており、[ジャンボ]の愛称の通り、ボディも大型でキャップ径は約19.8mm、軸径約17.0mmとなっています。
▪ジャンボペン先
実物を比較をしてみると[漆コレクション]の大きさがお分かりいただけます。
▪キャップ比較
▪うるしとURUSHI
どちらも大型なペンにもかかわらず、細かな話となってしまいますが、[カスタム URUSHI]はキャップリングが張り出しているのに対し、[漆コレクション]はキャップリングが張り出していません。
また[カスタム URUSHI]の全長が約155mmに対して、[漆コレクション]の全長は約175mmと長さにかなりの違いがあります。
そして何よりの違いは、やはりそのペン先のサイズです。
▪ペン先三兄弟
左:823 中心:ウルシ 右:URUSHI
[カスタム URUSHI]が少し小さなサイズに見えるほど圧倒的なサイズ感です…
大きければ偉い!というわけではありませんが、大きいというだけですこしワクワクしてしまうのは私だけでしょうか。
ちなみに、書き味としてはやや対照的で、[カスタム URUSHI]の30号がふわふわとした撓りとたわみで、紙面を柔らかく跳ねるように感じる書き心地であるのに対して、[漆コレクション]の50号は、硬いわけではありませんが、撓りを感じるよりはしっかりとした書き心地でペン先全体で力を逃がすような感覚です。
どちらもラッカナイト以来のパイロットの伝統を継承しているモデルですが、[漆コレクション]の原型は1930年代に生まれたインキ止め式、かたや[カスタム URUSHI]は現代の2016年に生まれたカートリッジ/コンバーター両用式。
日本を代表するメーカー、パイロットの系譜のなかでも、とびぬけて大きな親子、いや祖父と孫、、?似ているようで、大きく異なる2つの[ジャンボ]です。
かなり大きなペンですので、万人向けというお勧めはできませんが、もし手にする機会があれば是非、ゆっくりと書くということをお楽しみください。
その圧倒的な大きさはもちろん、漆仕上げの上品な輝きとしっとりとした手触りなど、ふたつの大きなペンが作り出す魅力は、えもいわれぬ独特な世界を見せてくれることでしょう。
*
*
*
*
*キングダムノートでのお買物はこちら
LINE友達登録はこちら!最も早い毎日の新着中古配信!その他、LINE限定SALEやお得情報を配信
動画にて紹介!キングダムノート公式YouTubeチャンネルはこちら
筆記具の美しい世界を写真で紹介!KINGDOM NOTE公式Instagramはこちら
毎日更新中!KINGDOM NOTE公式Twitterはこちら
【参考サイト】