モンブラン
清王朝 -Qing Dynasty- リミテッドエディション2002
国や時代によって姿、立ち位置を変えながらも一貫して力や富の象徴として存在した龍。
特に中国では、古くから多くの生物が行き着く先、護国の神、皇帝の象徴など様々に描かれてきました。
このペンには三体の龍が描かれています。
一体はペン先に少しコミカルな笑う龍。
キャップにはクリップを境に上下に向かい合う迫力のある二体の龍。
この三体の龍には清王朝を象徴する1つの共通点があります。
それが五つの爪を持つ龍であることです。
この龍は五爪の龍と呼ばれ、清王朝を代表するシンボルの一つといえます。
様々な生物が龍となる伝説が残る中国において、清王朝時代には最高位に位置する龍として、皇帝の象徴として用いられたものが五つの爪を持つ龍です。
それ故に、皇族には四爪の龍、役人や平民などは三爪の龍のみが下の階級の象徴として使用を許され、五爪の龍を皇帝以外の者が用いた場合は犯罪者として重い罰を課せられたそうです。
演舞等で皇帝の役柄を演じる際にも、四爪の龍までしか用いることが許されず、暦の十二支でも多くは四爪の龍が用いられていることから、五爪の龍が皇帝の象徴としてどれほど広く認知されていたのかということが分かります。
キャップの素材に使用されている翡翠は、中国において古くから仁義礼智信の五徳を持ち、福を象徴するものとして重宝されてきました。
五爪の龍が用いられた時代と同じ清王朝の西太后は、多くの悪行から中国三大悪女としても知られる女性ですが、同時に翡翠の熱狂的な収集家としてもよく知られた人物でした。
権力者を魅了し、その身を飾ったことから冨や財産の象徴としての側面もあるという所説も…。
中国最後の王朝を象徴するテーマとして、相応しい二つが掛け合わされたペンになっていると言えます。
激動の時代に生まれた文化が刻み込まれた逸品です。
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