キングダムノートがある西新宿でも道端には雪がかすかに残り
氷点下になることもまだまだしばしば…
冬の寒さが厳しく残っていますが、
立春は過ぎ、暦上は春です。
そう、もう春なのです!!
ということで、春らしい名前が付いた万年筆「春暁」のご紹介です。
と言っても、以前のブログで既にモデルそのものについてはご紹介しているので、
今回は春らしいその名前についてのお話をしようかと思います。
ちなみに過去に「春暁」を取り上げているブログは以下の2つ。
2月6日は「ブログの日」でもあるので、
よかったら過去ログもいろいろとご覧いただけたら嬉しいです。
万年筆「春暁」は、夜明け近くの空が赤く染まる一瞬の色調をイメージして作られています。
春暁といえば、季語でも使われるようですが
その単語で思いつくのは孟浩然の漢詩「春暁」かと思います。
春眠暁を覚えずという書き出しの詩です。
なんとな~く読むと、昨夜の春の嵐が過ぎ去って
やわらかな春の陽が差し始める朝。なんてイメージがわきそうですが…
実は元々あかつき(暁)という時間帯は明るくなる前の時間帯で、
あかつき→しののめ→あけぼの
という順番で夜明けに向かっていきます。
清少納言の「枕草子」で空が白み始める頃合いであけぼのという
表現が使われていますね。
なので漢詩「春暁」ではまだ真っ暗な時間帯(大体3時頃?)かと思われます。
現代ではあかつきという単語は、物事が切り替わる瞬間といった使い方のイメージが定着している為、
「夜明け」の時間帯として使われる事が多くなっています。
暁という漢字も後から当てられた漢字なので本来の意味とはちょっとずれています…
日本語は意味が移り変わっていく性質を持っているので面白いです。
話は戻りまして、万年筆「春暁」は真っ赤な朝焼けの空が表現されています。
日の出は大気圏内を光が通る距離が長い為、
光が空気により拡散されてしまい、拡散されにくい赤い光だけが私たちの目に届くので
真っ赤な空に見えます。
なんて科学的な説明をしても、なんだか幻想的で不思議な雰囲気を感じるのがこの時間帯。
暦の上では春ですが、まだ冬のような気温の日々。
しかしよくよく街中を見渡せば裸の木にはつぼみがふくらんでおり
まるで暖かくなるのを今か今かと待っているようで、着実に春の気配が感じられます。
春という夜明けに切り替わる今この時期はまるで暁のようだなぁと
そんな落ちで本日のブログを締めたいと思います。
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