作家が愛した万年筆を思い浮かべると
「モンブラン」
「パーカー」
「ウォーターマン」・・・
そんな中から、
最近読んだ、井伏鱒二氏の「山椒魚」から
彼が愛した「ペリカン万年筆」について少し。
代表作の「黒い雨」の中に
「万年筆ぐらいな太さの棒の様な雨」というくだりがある。
洒落ている様でいて、
学生の頃に読んだ私には、はっきり言って
想像し難い表現であった事だけは、
はっきりと覚えています。
さて、彼が使用していたのは知人から贈られた
500NNを使用していた様で、しかも一般的な茶縞ではなく
黒縞を使用していたそうです。
写真の商品は1950年代~1960年代に生産された500NN黒縞
金メッキではなく、ローズゴールドと呼ばれる極めて薄い金の板を
圧着したキャップが美しい万年筆です。
この他にも、最近の作家の方では
浅田次郎氏は、「セーラー万年筆」と特注の「原稿用紙」で
作品を執筆されています。
さて、ドイツ万年筆を愛した文豪と日本万年筆を愛した文豪。
元を正せば、「万年筆」とは海外で生まれた筆記具であるから
舶来万年筆を使った方が良いのでしょうか?と
尋ねられた事がありましたが、答えは「いいえ」です。
海外から取り入れた商品でも「日本」に取り入れたことで
「漢字」を書く為に特化した「ペン先」が生まれました。
宜しければ、「書く事」に改めて意識を向けて
「書き易い」とは何なのか試して頂ければ幸いです。
因みに「セーラー万年筆」はこちらです。