なぜ万年筆用インクに
油性が存在しないのか…
万年筆がボールペンの代わりになったら
心地よい筆記感を
もっと日常的に味わうことができるのに…
そう考えたことはありませんか

ご存じの方が多いかと思いますが
万年筆用に使うインクは全て水性インクです
顔料と染料という分け方はできますが
そのどちらもが
万年筆用の水性インクとして製造されています
おそらくどこを探しても
万年筆用の油性インクは製造されておりません
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しかし当店にも時折
お客様からお問い合わせがあります
それではなぜ
万年筆のインクには油性がないのでしょうか

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油性インクの多くは
染料(顔料)に
アルコールなどの有機溶剤と樹脂
そしてその他の
添加剤を加えることで製造されています
染料(顔料)で色を付け
樹脂で筆記後のインクを定着させています
そして
有機溶剤によりインクに粘度を与え
速乾性を備えます
万年筆に使用できない理由としては
粘度が高く
有機溶剤を使用していることです
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今回はボールペン用の油性インク(左)と
万年筆用の水性インク(右)を
水に落としてみます

油性インク(左)は
水から弾かれるように浮き上がり
水性インク(右)は
水に溶けるように広がります

万年筆は
「毛細管現象」によって
補充されたインクをペン芯からペン先へ
そして紙へと伝えています
この毛細管現象を引き起こすことができる
適切な粘度であることが必要です
想定されているものよりも
粘度の高いインクを使用した場合
ペン芯へのインクの供給が止まります
一般的に油性インクは
使用されている有機溶剤の揮発性が高く
速乾性に優れています
その性質が万年筆の構造には適していないのです

ボールペンで使用する場合は
問題の少なかった有機溶剤の揮発が
元々高いインクの粘度を
さらに強くすることに繋がり
洗浄の困難な
油性インクが軸内部で固着した結果
万年筆自体が使用できなくなってしまうのです
このことから万年筆で
油性インクを使用することはできません
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もし油性インクのような乾燥後に
耐水性を持つインクを万年筆でも使いたい場合は
「顔料インク」や
「古典インク」がございます
油性インクの持つ
ガラスとプラスチックへの筆記が可能な点や速乾性は
顔料インクは性質として持っていませんが
染料インクと比較し
乾燥後には耐水性と耐色性を持つため
長期保管に向いています
そのぶん注意点としては
染料インクに比べ
内部で乾燥してしまうと洗浄は困難となり
メーカーにて高額なオーバーホールや
内部パーツ交換が
必要になる場合があります
また万年筆の素材によっては
故障のリスクも高くなりますのでこまめな洗浄を
そして
長期間使用されない場合は
インクをしっかり抜き
内部に残らぬように洗浄を行う必要があります
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キングダムノートで取り扱いの
顔料・古典インクのお買い物はこちら>>
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万年筆を使用する際のインク選びも楽しみの一つ
用途に合わせたご選択の一助になれば幸いです
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