昨今の万年筆ブームの一端となったとも言われる、エラボーの筆記動画。
いつ頃だったかと調べてみたら、もう6年も前の話でした。
あの動画が万年筆を広く知ってもらうことに貢献した一方、
実は改造ペン先であり、万年筆の一般的な使用方法と異なっていたため
万年筆に対する大いなる誤解とトラブルが多発したことも。
このように曰く付きのモデルではございますが、
しかしながらエラボーが大変優秀な万年筆であることは間違いありません。
本日はそんなエラボーの歴代モデルをご紹介いたします。
※各モデルの名称は当店での表記となります。
◆パイロット 万年筆 エラボー (最初期型/漆塗りペン芯)
初代エラボーの特徴はなんといってもペン芯に漆が塗られていること。
しかしながら技術的、設計的にも未熟だったため現在ではほとんどの漆に点状の浮きや剥がれが見られ、状態のいいものは非常に貴重です。
弓状のクリップや鎖状の刻印があるキャップリングなど、
「エラボー」のデザインが垣間見えます。
◆パイロット 万年筆 エラボー (旧型)
80年代になると漆塗りペン芯はなくなり、キャップもねじ式となります。
胴軸のシルエットもやや中央が太くなり、現行の仕様はほぼこの時期のものが採用されています。
◆パイロット 万年筆 ナミキ ファルコン
こちらは海外向けのバージョン。
ペン先とキャップリングにはパイロットの海外向けブランド名である「NAMIKI」とエラボーのモデル名「ファルコン」の文字が刻印されています。
当時から画期的なペン先は話題となり、NAMIKIブランドは世界的に人気を博しました。
◆パイロット 万年筆 伊東屋限定 ファルコン(エラボー) ゴールドトリム
その海外向けモデルを80本限定で復刻したモデルがこちら。
オリジナルのファルコンの天冠は樹脂であるのに対し、金属プレートがあるのが特徴です。
◆パイロット 万年筆 エラボー 樹脂軸
◆パイロット 万年筆 エラボー 金属軸
各部のデザインはそのままに、シルバートリムへと変更され、スマートな印象へと変化します。
また現行では金属軸モデルもラインナップ。
軽く使いやすい樹脂軸と、高級感としっかりとした重量感のある金属軸を選べるようになっています。
いかがだったでしょうか。
細かい仕様変更はあれど、ペン先の基本設計は最初期モデルから現行までしっかりと継承されていることがお分りいただけたかと思います。
他社のフレックスペン先とはまた違う、独特な書き心地は数十年以上も人々を魅了して止みません。
「万年筆は何本も持っているし、書き味はだいたい把握してるよ」という方もぜひ試していただきたい一本です。
紙とペン先が触れた瞬間から、他の万年筆とは全然違う世界が待っていますよ。
ではでは、今回はこのへんで。
皆様の素敵なペンライフの一助となりますように。
☆日々を写真でお伝え!KINGDOM NOTE公式Instagramはこちら☆