万年筆の魅力といえば、長く使えること。そして、見た目が美しいこと。
見た目も、耐久性もどちらも妥協したくない!
今回はそんな万年筆のためにあるような素材で作られた1本をご紹介。グラフフォンファーバーカステル ペン・オブ・ザ・イヤー2005 ガルーシャ グレー
ガルーシャとはスティングレイとも呼ばれる、アカエイを鞣した革。
その特徴はなんといっても表面に規則的に並ぶ、エナメル質の粒です。
これは象牙と同じ成分でできているため、その性質は革というより歯や牙。
対摩耗性に非常に優れています。
樹脂素材だとあっという間にスレ傷がついてしまいますが、
ガルーシャであればちょっとやそっと擦ったくらいではびくともしません。
(コンクリートにガリガリ数分押し付けてようやく傷がつくくらいだとか!)
さらにエイは当然ながら水生生物。耐水性も抜群です。
インクの吸入・洗浄、手汗など万年筆を使用する上で水分はつきもの。
カゼインや木、革でできた万年筆は、それはそれで魅力的ですが水分には決して強いとは言えず、
染みになったり変質したりとなかなか取り回しに苦労します。
それに対してガルーシャであれば同じ革でも牛や羊の革巻きでは考えられないほどの耐水性を誇っています。
だって、革巻きなのに汚れたらささっと水拭きできるんですもの。
そして細かい凹凸があるためグリップとしても大変優秀。
かつて日本刀の柄に用いられていたくらいですから、その効果の高さが伺えます。
「ペンは剣よりも強し」という言葉がある通り、ペンは現代の刀。
刀を万年筆に持ち替えても、変わらぬ握り心地。
まさにここぞ!という時の真剣勝負にうってつけの万年筆でしょう。
さてさて、如何にガルーシャが優れた素材かということを述べてきましたが
耐久性だけをいくら語っても、ガルーシャの魅力の半分しか伝えられません。
そう、もう半分の魅力であるその美しさもご紹介していきましょう。
ガルーシャは海の宝石箱とも呼ばれ、
キラキラと輝くエナメル質が生物由来とは思えないほど端正な顔立ちをしています。
先ほど述べたように耐摩耗性が非常に強いので
通常使用の範囲ではいわゆる経年変化は起きません。
ずっとこの美しさを保てるということですね。
このガルーシャは落ち着いたグレーに染めてあるので
キャップや尻軸のプラチナコーティングとも相性ぴったり。
気品、格調の高さが感じられます。
朽ちず、果てず、汚れず、傷つかず、変わらず、ずっと美しい。
私たちがこの世からいなくなってしまったとしても、この万年筆は美しいのです。
初期のペンオブザイヤーは素材にフォーカスを当てたシリーズですが、
その使い心地、
その耐久性、
その美しさ、
どれをとってもペンオブザイヤーにふさわしい素材。
どうぞ思うままに、ご堪能くださいませ。
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ではでは、今回はこのへんで。
皆様の素敵なペンライフの一助となりますように。