オールド珈琲。
僕の日常を、人生を、形成しているものの一つ。
魅せられて何年になるでしょうか。
「その豆の、個性が最大限に発揮されているポイントが、その豆の味。」
言葉にすればシンプルなその理論に、魅了された訳です。
過去のブログでも述べたように、
珈琲もペンも、嗜好品。
「珈琲」とひとまとめにジャンルがあるものの、
ドリップ派と、エスプレッソ派と、
いやそもそもドリップだけでもネル、ペーパー、サイフォン、プレス。。。
正解はありません。
嗜好品の素敵なところ。
だからこそ各々の感性でのめり込み、また探究出来るのかもしれません。
という訳で、僕の話も正解なんかではありませんが
どうかひとつ、ご笑読くださいませ。
「オールド珈琲」
所謂オールドビーンズ(豆)、ですね。
珈琲豆は食べ物と同じで新鮮が一番!
焙煎したらすぐ、豆を買ったらすぐ、煎れたらすぐ飲みなさい!
という考えに疑問を持った方がいたんですね。異端ですね。(あ。汗):注
焙煎する前に豆を寝かせ(エイジング)、数年後に飲んでみたら
なんと芳香な味が!と。
新鮮であればいい、とはまた別の話。
豆も生き物。個性があるはず。
寝かせてはじめて味が開く豆もあればそうでない豆もある。
自然を把握する事は勿論出来ないが、そうしたことがあるかもしれない、
だとしたら、美味しいポイントが何十年経った後に出ようが、
それを追求してみようじゃないか!
とまぁ恐ろしく端的に述べるとそんな感じです。
ただ、追求して追求して、純粋に美味しい珈琲を出したくて、結果そうなった。
いたってシンプルな行動なんですが、これはなかなか出来ません。
珈琲店を経営している方にとってはそれが生業ですし、生きていかなければならない。
豆を、珈琲を、売らなければならない。
美味しいものを出す、追求する、という行為とのバランスは難しい。
ただそこで一歩踏み出せるか否か、その勇気が人としての、店としての個性を輝かせる源かもしれませんね。
話しが大きくなりましたが・・・
軟らかく解釈すると、日常に何かプラスアルファの価値を見出す事って素敵なんじゃあないでしょうか!
という話。
僕にとってオールドの珈琲を飲むコトは、
何十年前の豆が今こうして美味しい(この概念は人それぞれですが)飲み物として
眼前にあるということ、
このポイントを探しながら、生きるか死ぬかも分からない豆と、いつまでともわからぬ時間と寄り添い向き合う姿勢、
様々な事を噛みしめて、「考える」「一歩踏み出す」という活力を与えてもらうというコト。
エネルギーですね。
血です。
僕の血は珈琲で出来ている。(あ。。汗):注2
さて、例によって長引いているので珈琲、オールド、エイジングということで
プラスアルファの楽しみ方を一つ。
キングダムノートで扱っている僕の好きなメーカーのひとつ。
工房 楔(せつ)のペン。
昨年、代表の永田さんにお願いをして「珈琲の木」のペンを作って頂きました。
木もまた生き物。時と共に味わいが変化し、様々な新しい表情を見せてくれます。
お陰様で珈琲のペンは売り切れてしまいましたが
洋梨も和梨も我儘なリクエストに応じてくださり誕生したもの。
リクエストなどがあればぜひ店頭スタッフにポロリとこぼしてみてください。
もしかしたらもしかするかもしれません。
何れにせよ、素敵なペンです。
木は乾燥に弱いので適度に使っていくのが一番の長寿の秘訣なのですが、
僕は珈琲の木のペンを、珈琲豆の油で磨きたくて、
上述の珈琲店で使い古しのネルを頂き磨いています。
僕なりの、エイジング。
ぜひ、どうぞ!
とはいいませんが、何らかのご自分なりの楽しみ方を、プラスしてみてください。
ペンへの愛着が湧くことは個人的に保証します。(すみませんキングダムノート保証対象外)
ペンを長持ちさせること∝(比例)愛情をもつこと、と信じています。
お気に入りの果物の木
お気に入りの革
季節
色
匂い
色々な要素が組み合わされば、必ず世界で1本だけの、
貴方だけのペンになります。
そこまでしなくてもいいのだけれど、
そこまでしたらそれはそれで楽しい。
そんな楽しみ方も、ありますよ、と
今日はそんな話でした。
長々いつもすみません。
有難うございました。
注:(あ。汗)= ( 口が滑った )
注2:(あ。。汗)=( 口が大いに滑った)
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