「ミュージック」という字幅をご存知ですか?
極端に縦太、横細の線が引けるように平たく研がれた特殊ペン先の事です。
元々は楽譜を筆記する為に開発されたペン先ですが、
そのペン先形状から独特の字が書ける為、国内外でファンが多いペン先です。
縦横の線幅の差の強弱はイメージでいうとスタブとカリグラフィの中間のようなイメージです。
強弱のある線幅は、味わいのある文字に変えてくれる魔法の様なペン先です。
見た目も通常のペン先と違い、ペン先の切割りが2本ある事が多いです。
あまりにペンポイントが幅広な為、捻りへの許容はややシビア。
しっかりと紙の上にペンポイントを置いてあげる必要があります。
しかし一旦筆記角を掴んでしまえば極太の筆記線と潤沢なインクフローが紡ぎだす快感に、おもわず恍惚の表情を浮かべる事でしょう。。。
そんな魅惑のペン先のミュージック。
国産3メーカーのペン先を見比べてみました。
■パイロット
多少捻ってもインクきちんと紙に乗る優れもの!
ペンポイントの中央と左右の幅の比率は1:2:1くらいで左右が細くなっています。
また、ニブの形は幅広なペンポイントを実現するために湾曲が抑えられた平べったい形状をしています。
■プラチナ
漢字でも、英語の筆記体でも文字が綺麗に書ける事でも人気があります。
また、ペン芯はミュージック専用の物が使用され2本の溝が掘られています。
個人的な感想は、エッジが紙に引っ掛かりにくく滑らかな書き味に感じられます。
■セーラー
ペン先の形状はスタブニブに近く、縦横の線幅の変化は他社と比べるとやや控えめ。
巨大なペンポイトの上下を削り取り少し丸みを出した様な研磨方法が特徴的です。
同じミュージックペン先ひとつとっても各メーカー毎にペンポイントの作りこみ、フロー実現の方法、そして書き心地が違います。
これこそ万年筆の醍醐味!
ぜひこのミュージックペン先の溢れ出る悦楽に浸ってくださいませ。
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