現代の名工による不朽の名品

2023年06月25日

セーラー すす竹万年筆

大ぶりのサイズ感と、竹材でできた軸で圧倒的存在感を誇るすす竹万年筆。
天然素材ゆえ節の位置や数がそれぞれ異なり、一本一本異なる造形や色味も魅力です。
節が全くない個体も存在します。

すす竹は、日本古来の建築物である茅葺き家屋の屋根床材が、囲炉裏の煙によって100年以上燻されたものです。

煙の当たり加減により茶褐色や飴色に変色し、複雑な深みや時代を感じさせる個性的な表情が生まれます。

長期間燻されていることから紫外線に強く、天然の素材にありがちな日焼けや変色などがほとんどありません。

茅葺家屋の減少により、すす竹そのものの数が希少傾向にあります。

その為、セーラー万年筆でも増産をすることが出来なくなり、現在では製造終了。
その後、年月の経過とともに徐々に幻の名品となって参りました。

セーラー万年筆が制作するすす竹万年筆は、京都洛西の旧家の屋根裏で150年以上、囲炉裏の煙によってゆっくりと燻されたすす竹が使用されています。

茅葺屋根の古民家

竹という植物の特性上、節の位置や径が一本一本異なり、重心の位置や胴軸の長さを均一にすることは非常に困難を極めます。

手間をかけ丁寧に厳選された素材を使用した万年筆は、別のモデルではないかと思うほど個体により表情が異なります。

そして、ペン先は存在感のある軸に相応しい長刀研ぎ。
長原宣義氏によって考案された名ペン先は継承され、現在も限られたペン先職人のみで生産されております。
生産が追い付かず度々受注が休止するなど、国内外問わず人気の高いペン先です。

長原宣義氏の刻印が彫られた純金プレート

トメ・ハネ・ハライが美しく書ける漢字に適した精緻なペン先により、滑らかで快適な筆記をお楽しみいただけます。


長刀研ぎの過去ブログはこちら >>

長原宣義氏の代表作とも呼ばれるすす竹万年筆は希少性も高く、
手元に置いてずっと眺めていたくなるような、まさに一生ものの名品です。

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