一般に販売している染料が原料のインクよりも、耐水性・耐光性があると言われる「顔料インク」。
実際に各メーカーから発売している顔料インクはどれほど耐水性があるのかを比べてみました。
今回使用する顔料インクは、プラチナの「カーボンインク」・「ピグメントブルー」、
セーラーの「極黒」・「青墨」、そして、イカ墨が原料になっている万年筆博士の「イカ墨インク」の5種類と、染料を使用しているインクの中でも比較的、耐水・対光性があるブルーブラックのインクで検証してみたいと思います。
では、実際に水に濡らして水分を軽く拭きとてみました。
海外メーカーのブルーブラックと比べてみるとその違いが、一目でご理解いただけると思います。
ブルーブラックは厳密に言うと、成分は「100%純粋な染料のインク」ではありませんが、上の写真のように、水に濡れると染料成分が水に溶け出し、明らかに薄くなっています。
また、イカ墨インクは多少の色落ちがありますが、ブルーブラックと比べてみると、色落ちは目立ちません。
そして、プラチナ社・セーラー社の顔料インクはと言うと、ほとんど色落ちしていません。
実は今回、水で濡らしてはふき取ってという作業を5回くらい繰り返してみました。
普段、万年筆用のインクで書いた紙を何度も水に着けてふき取るような場面は無いかとは思いますが、耐水性は確かなものだと言えるでしょう。
顔料インクは、まさに日本の高度な技術を感じさせられるインクです。
手紙やはがき、公文書など大切な場面での使用にとても適しています。
しかし、一点だけ注意すべき点があります。
顔料を使用したインクは色落ちがしにくいと言う特徴があるだけに、長期間に渡り万年筆を使用しないまま入れておくと固まってしまい、最悪の場合は修理と言うこともありますので扱いにはご注意下さい。