顔料、古典、ラメ、ミクサブル。インクのあれこれ

2018年05月31日

昨今の万年筆ブームの一端を担っているのがインクの豊富さ。
そして低価格高品質万年筆の発売。

これによりインクを使いたいがために気軽に万年筆を買い足す、
という大きな流れができていると感じています。

誰でも気軽に万年筆とインクを楽しめるようになった一方、
思わぬインクのトラブルが多発するようになったとも聞きます。

本日は注意喚起としてインクの取り扱いと、
トラブルが起きた際の対処法をお伝えいたします。

万年筆インクの注意点

万年筆用のインクの種類はその成分により3種類に大別されます。

・顔料インク

超微粒子の色の粒(顔料)が水の中に漂っている状態のインク。
耐光性、耐水性に優れ滲みにくいという特性がある。

・古典インク

元々は没食子インクと呼ばれていた。
タンニン酸あるいは没食子酸および鉄イオンを含む万年筆用インク。
筆記後に空気中の酸素とインク内の鉄イオンが反応して濃く変色する。

・染料インク

最も普及しているインク。
特に注釈がなければ万年筆のインクはほぼ染料インクに分類される。
様々なカラーバリエーションが楽しめる。

各々の性質等は既にご存知の方も多いと思いますのでここでは軽く触れるだけにしますが、今回はこの3種類の万年筆インクを楽しむうえで注意してほしいことをお伝えしようと思います。

その1.顔料インク及び古典インクは放置してドライアップさせない!

顔料インク、及び古典インクはドライアップさせてしまうと
インク滓が詰まりを起こし筆記ができなくなるばかりか万年筆本体にも大きなダメージを与えてしまいます。
万が一ドライアップさせてしまった場合、

・顔料インク
→プラチナ 万年筆インククリーナーキットで入念に洗浄する

・古典インク
→アスコルビン酸(ビタミンC)を溶かしたぬるま湯に付け、酸化した固着物を還元させる

という方法を試してみてください。

その2.顔料インクと古典インクは絶対に混ぜない!!

古典インクを使った後に顔料インクを入れる(またはその逆)時には注意をしてください。
洗浄が完全にできておらず顔料インクと古典インクが反応するとすぐにインクが固まってしまいします。
吸入機構が動かなくなったり、ペン芯が詰まってしまったり。。。
こちらは正直個人のメンテナンスの範囲では対応できません。

古典インクは古典インク用の万年筆、顔料インクは顔料インク用の万年筆と分けて使うのが賢明だと思います。

その3.パイロット製万年筆には顔料インクを入れない

そもそもパイロットに限らず他社製インクを使用するのは基本的に自己責任、
生じたトラブルに関してはメーカー保証が受けられない場合が多いですが。。。。

その中でもパイロット製の万年筆で顔料インクを使うことは危険度が高く、
メーカーが非推奨しています。

パイロットのペン芯は2重ペン芯と呼ばれる構造を採用しており、
スキマに顔料の粒子がつまるリスクが他社よりも比較的高いためと思われます。

こちらはその性質上、ラメインクに関しても同じことが言えるかと思います。

いかがだったでしょうか。
正しく用法を守れば非常に魅力的な万年筆インク達。
少しでもトラブルなく万年筆ライフを楽しんでいただける一助となれば幸いです。

正しく使って、楽しみましょう!

ではでは、今回はこのへんで。

皆様の素敵なペンライフの一助となりますように。

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