大切な筆記具にアルコールが起こす大惨事

2022年04月29日

アルコールが含まれた消毒液を使用することが格段に多くなったこの数年。
KINGDOM NOTEにもご相談やお問い合わせがとても多く寄せられるようになりました。

筆記具にアルコールは大敵です

筆記具の多くに使われている樹脂やセルロイド、
また表面に施されたラッカー塗装にアルコールが付着すると、
溶けたような変質や白く変色してしまうなど、
大切な筆記具が取り返しの付かない姿になってしまいます。


酷い時には細かい無数のひび割れのような亀裂、
更に最悪な事態ではパックリと口を開く程の亀裂が入るなど、
筆記具にとっては死活問題に繋がります。

この現象を
【ソルベントクラック】や【ケミカルクラック】と言います。

高分子材料に分類される樹脂。
薬品や溶剤が触れると表面から内部へどんどん浸透していき、
『膨潤』させたり『溶解』させたりしてしまうのです。

溶解が起きるとその名の通り表面が溶けたように変質。
膨潤が起きると分子を繋げているミクロの鎖が膨らみ切断が始まります。
筆記具は筒状の為、より一層応力が作用して大きな亀裂が発生する…
これがソルベントクラックの原理です。

私たちの身の回りにある主な薬品や溶剤
・アルコール
・アセトン(除光液)
・接着剤
・シンナー など

付着した直後は何ごとも無くても
数時間後に見たら見るも無惨な状態に。
何もしていないのに!!なぜ?!と大惨事になります。
改善することは不可能。
もう時間は戻せません。

唯一の道は高額なパーツ交換一択…
製造終了しているモデルだともう改善の術がありません。

また、アルコール消毒をしてまだ十分に乾いてない手で筆記具を持つのも危険です。

現在ご入店の際には皆様にアルコール消毒のご協力をして頂いておりますが、
恐縮ながら十分に乾いてからのご試筆をお願いしています。
皆様のご協力にスタッフ一同、心から感謝しております。

「除菌をしたい」
このようなご時世ですので当然のことです。

お気持ちは大変よく分かりますが…

筆記具にアルコールは大敵です

キングダムノートは中古の筆記具を販売しているがどうしているのか」
「中古品をちゃんと除菌しているのか」

お客様からこの数年で最も増えたお問合せです。

私共ではお買取りさせて頂いたお品物は
超電水で拭き取りを行い販売をしております。
基本的にこのようなご時世になる前から行なっていたことでした。

KINGDOM NOTEの店舗へご来店頂いたお客様は見た事がある方もいらっしゃるかと思います。
試筆の際インクが指に付いてしまった。
そんな時スタッフがシュシュ!とティッシュに吹き付けてお渡しするあの液体が超電水です。
インターネットでも簡単に購入可能な便利な液体です。

何をするにも消毒をしなくてはいけないこの状況が
1日も早く収束することを心から願っております。

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