先日、蛍を見に行ってきました。
初夏になると幻想的な光で飛び交う蛍は、水のきれいな川辺に生息します。
田舎育ちの私が子供の頃は、家の近所で自然の蛍が見られました。
年々、宅地開発や水質の悪化が進み、蛍の生息数は減少していきましたが
最近では地域ぐるみで蛍の育ちやすい環境を作り、幼虫を放流する
保護活動が行われているところも多いようです。
「源氏物語」の第25帖に「蛍」という巻があります。
「キングダムノートオリジナル万年筆源氏物語シリーズ 第一弾」
【玉鬘】にまつわるお話です。
女性の姿を男性が見る事が叶わぬ平安時代の貴族社会。
大変な美女と評判の玉鬘に、多くの公達が想いを寄せます。
それを面白がった光源氏は、玉鬘に熱心な恋文を送ってきた
兵部卿宮を館に招きます。
玉鬘の姿を少しでも確かめたくてそわそわする兵部卿宮の前で
源氏は自分の袖の中に潜ませておいた蛍達を放ちます。
几帳の中で飛び交う蛍の光に浮かび上がる玉鬘の美しい姿を見て
兵部卿宮は益々心を奪われる…という場面。
僅かな火の明りだけの平安時代の夜に舞う蛍の光は
さぞかし優美だったことでしょう。
また、それだけ当時は多くの蛍が生息していたという事なんですね。
「玉鬘」は既に完売していますが、第二弾「花散里」が発売となります。
平安時代の着物の襲(重ね)をイメージして作られたこのシリーズ、
今後も次々と美しい色合いの万年筆をお楽しみいただけます。
是非ご期待ください!
ちなみに、蛍をモチーフにしたこんな万年筆も…。
日本の職人さんならではの繊細な装飾。
蛍の仄かで幻想的な光を蒔絵と螺鈿で表した万年筆です。
でもやっぱり実際に見る儚げな蛍の光は別格。
皆様も、ぜひ見に行かれては如何でしょうか。