ヨーロッパタイプの万年筆

2018年04月11日

先日パーカータイプのボールペンについてご紹介いたしました。

ボールペンの共通規格に触れたならば、
万年筆の共通規格に触れないわけにはいかないでしょう。

ということで本日はヨーロッパタイプ(欧州規格)について。
現在、万年筆のインク吸入機構の主流である「コンバーター・カートリッジ両用式」。

コンバーターとカートリッジの装着部分の口径・形状に関して、
自社の独自規格か、共通規格であるヨーロッパタイプかの2パターンに大別できます。

◆自社オリジナル規格

モンブラン
パーカー
クロス
シェーファー
セーラー
パイロット
プラチナ

◆ヨーロッパタイプ

ペリカン
ファーバーカステル
デルタ
オマス
ビスコンティ
モンテグラッパ
ウォーターマン
ヤード•オ•レッド
コンクリン
etc..

クロス、シェーファー、モンブランなどボールペンで独自規格芯を使っているメーカーは万年筆においても独自規格が多いです。

パーカーはボールペンでは共通規格を採用しているのに、万年筆では独自規格であるのが少し覚えにくいですかね。

といってもボールペンも他ブランドがパーカーの規格を真似たと考えれば、万年筆が独自規格であることも分かりやすいかと思います。

余談ですが、以前友人に万年筆の相談を受けた際に

「コンクリンはアメリカのブランドで、ヨーロッパタイプだからエルバンのカートリッジが使えるよ」

と説明したところ「アメリカのブランドなのにヨーロッパ・・・???」と混乱させてしまったことがありました。

確かにこの部分だけを見ると若干わかりづらいですね。。。

なまじ知識があるとついつい専門用語を使ってしまいますが、事前に説明もなく用語を使うのはよくないな。。。と反省した出来事でした。

さて話を本題に戻しますが、ヨーロッパタイプには一つ注意点がございます。

実は共通規格といってもヨーロッパタイプであれば完全に互換があるというわけではありません。

各社で微妙に径が異なる場合があり、他社製のコンバーター•カートリッジを使用するのはあくまで自己責任となります。

ボールペンであれば多少がたつきがあったり1mm短くてもそこまで支障はありませんが、万年筆の場合はインク漏れに直結しますのでシビアにならなければならないところです。

他社製コンバーターを使用する際にはインクを使う前に一度水を吸入し、漏れがないか確認することをオススメします。

最後に、ヨーロッパタイプの楽しみ方の一例をご紹介いたします。

デルタのビンテージコレクションは軸の樹脂の美しさが人気のカートリッジ専用万年筆。

デルタ 万年筆 ビンテージコレクション インシエーメ

通常であれば自社製カートリッジからしかインクの選択肢はありません。

しかしデルタの首軸はヨーロッパタイプですので、(あくまで自己責任となりますが)ファーバーカステルやエルバンの多種多様なインクカートリッジを使って楽しむことができます!!

メーカー純正インクカートリッジは数色しか展開されていないことも多いので、これは嬉しい。
このようにカートリッジ専用の万年筆の方が、共通規格であるヨーロッパタイプの恩恵を最大限受けられるかもしれません。

デルタやオマスなど、新品の純正コンバーターやカートリッジが手に入らなくなるブランドもありますが、ヨーロッパタイプなら大丈夫。

どうぞ安心して万年筆ライフをお楽しみくださいませ。

>>ヨーロッパタイプの万年筆一覧はこちら

ではでは、今回はこのへんで。

皆様の素敵なペンライフの一助となりますように。

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