入社以来ずっと憧れていた万年筆を、やっと手に入れました。
悩みに悩んだ、この数年。
ついに、「これだー!」というペンを見つけて、
手に入れてしまいました。
手に入れたのは「O42G ブラック OM」です。
キャップリングの愛らしさがたまらない。
ブランドはモンブランですが、
天冠にホワイトスターのマークはありません。
モンテローザは、
ヨーロッパでモンブランに次いで標高の高い山脈。
その山脈をイメージして施されたのが、この波模様のデザインなのです。
1950年代、ハイクラスの1ランク下のモデルとして作られたこのモンテローザ。
「学生用」とか「ビギナー向け」などとも言われていたようですが、
かなりしっかりした、高級感のある万年筆です。
ころんとした丸みのあるボディと、
しっとりしたセルロイドの質感、
小さなサイズながらほどよい重み。
なんといっても、最大の魅力は
50年代ならではのペン先の柔らかさ。
ドキッとしてしまう、魅惑的な書き味です。
するりん、ふわん、とペン先からインクが出てくる感覚に魅了されてしまいました。
現行品では味わえない、繊細な書き味。
その存在を知ってから
ずっと惹かれていたのですが、
自分よりうんと昔に生まれた、いわば「大先輩」のような万年筆を日常づかいするには少し気おくれしていました。
ですが…お店に立ち
これまで色々なペンに触れて
お客様とお会いして
「万年筆との出会いは、やっぱり運だよね」と
嬉しそうにお話しされるお客様の笑顔と、
大切に選び、慈しんでペンを扱うお客様の姿を見つめて早4年半。
ふと、ショーケースに残っていたモンテローザと目があった気がして…。
ああ、やっぱりこの万年筆に会えたのは運命だったのかもしれない。
その個体の状態と、書き味に惚れ込み
ついにこの手に迎えてしまいました。
実際に手にしてみて、
大切にしたいと思える万年筆があるということは
やっぱり嬉しくて、楽しくて、
しあわせなことだよなあとしみじみ実感しています。
自分の両親よりも年上の万年筆。
この万年筆を作った職人は、
約60年も前に、どんな気持ちでこのペンを作ったんだろう。
これまでこのペンを手にした人たちは、どんな文字を綴っていたんだろう。
悠久の時を経て
この手にやってきてくれた万年筆。
書き味もデザインも、ますます大好きになりました。
ああ、ロマンです。
「万年筆との出会い」は、
やっぱり素晴らしいもの。
自分で手にしてみて、
改めて感じることができました。
キングダムノートをご利用頂くお客様にも
そんな喜びを感じて頂きたい。
より一層、その気持ちが強くなりました。
これからも、
皆さまにとって
素晴らしい出会いのお手伝いができれば
これ以上の幸せはありません。
人の手から手へ。
時を超えて、国を超えて。
皆さまに素敵なペンとの出会いがありますように。
ti
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