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紳士のドレス

こんにちは。

唐突ではありますが、

好い筆記具とはなんでしょうか。

書きやすい、手に合う。

長く使う事ができる、美しいデザイン。


さて、様々な意見があるかと思います。

その答えはなかなか出ず、だからこそ筆記具は面白いのですが、

私個人は手にした時に心躍る、そんなペンが好きです。



手にするとき、文字を記すとき。

また、それをペンケースへ戻すとき、

心弾むような、わくわくするようなそんな筆記具。



心躍ると言いましても、感じ方は人それぞれかとは存じますが、

心躍る筆記具という存在を共感いただけたらなと、

そんな思いで文章をつづっております。



今回は、そんな数ある心躍る筆記具の一つとして、

不思議な形のお品物を紹介いたします。














筆記具の形といえば、

バランス型ベスト型の差異こそあれど、

断面は丸が基本的な形です。

細かったり太かったり、

もちろん四角であったり三角であったり、

変わった形のお品物もございます。



今回のお品物は、

強いて言うなれば楕円、でしょうか。

非常に特徴的な外見をもっています。

どこの国の、なんという筆記具でしょうか。














今回ご紹介するお品物の名前は

「ダンヒル ドレスコレクション(Dunhill Dress)」



イギリスを代表するブランドとして知られるダンヒルは、

ライター、パイプなど紳士用品で名高いブランドですが、

戦前には並木製作所(現パイロット)と提携し、

「ダンヒル・ナミキ」のブランドで蒔絵万年筆を展開していた

筆記具の歴史に燦然と輝く名品たちを生み出したブランドでもあります。



そのダンヒルが1977年ごろよりモンブランの株式を取得し、

モンブランのペン先とペン芯を用いて

自社ブランドでの筆記具を展開します。



1980年代から90年代にかけて

煌びやかに展開されたダンヒルの筆記具のラインナップ、

その最上級ラインと位置付けられたコレクション。

それが「ドレスコレクション」です。



今回取り上げましたドレスの製造時期は

ゴールドないしシルバートリムで仕上げられ、

下記の軸素材と模様の組み合わせで製造されました。



【軸素材】

・バーメイル(スターリングシルバーにゴールドプレート)

・スターリングシルバー

・ゴールドプレート

・シルバープレート



【軸模様】

・バーレイ

バーレイコーンと呼ばれる欧米でよく用いられる文様

大麦(バーレイコーン)の敷き詰めた様に由来している。


・ライン

シンプルな縦のストライプ

こちらも伝統のある文様。ゴドロンほどの凹凸は無い。



上記のラインナップが時期を交えながら製造され、

軸の側面の加工は全て7面のダイヤカットで統一されていました。



90年代に入るとリニューアルが行われ、

デザインとラインナップが大幅に変更されますが、

一記事に収まりきらなくなってしまいますので割愛いたします。












最上級ラインの名に恥じず金額も非常に高額でした。

手元にある1986年のカタログに依れば

「DW111 ドレス シルバープレート」

販売金額は¥85,000(税込)



参考までに同年の他社製品

「モンブラン149」 ¥45,000-

「ペリカン #500」 ¥25,000-

上級ラインのバーメイルとなると、

「DW151 ドレス バーメイル」¥120,000(税込)



他社のフラッグシップの追随を許さない金額です。

税込とあるように貴金属に対する物品税(消費税ではなく)が含まれている事を

考慮に入れる必要はありますがそれでも非常に高額な製品であり、

ダンヒルとしても自信を持って送り出したラインだったと推察できます。



そんな気合が入ったラインに、

紹介にも熱が入ってしまいました。














さて、「ドレスコレクション」のシルバープレートの万年筆と

ゴールドプレートのボールペンを在庫から持ち出してみました。



ペン先はモンブランが製造を委託しているだけあり、

安定した筆記を提供してくれます。

軸の仕上げもデザインも破綻なく、

非常に高いレベルでまとめられています。



側面のダイヤカット部分が光を反射し、

正面のバーレイとラインそのどちらの模様とも美しい、

光のコンビネーションを描きます。

華美という言葉がとてもふさわしい筆記具です。




しかし…

お世辞にも持ちやすいといえる軸ではありません。

筆記具として書きやすいとか手に合う、

万人受けする筆記具かと言えば、

その反対にあるとさえ言えるかもしれません。



平面と曲面の組み合わせで作られた形は、

特に万年筆において筆記角と筆記位置に制約を覚えます。

筆記をする上において平衡を保つのに慣れを要するのです。



高価だから持ちやすく、書きやすいのだと、

そう思って買われた方は後悔されるかもしれません。

それほどまでに独特です。



その独特さは何の為でしょうか。

ここからは全く私個人の想像となってしまいますが、

その独特さを商品名から紐解いてみましょう。



「ドレス」

どういう意味でしょうか。

日本においてドレスというと、

女性用の正装というイメージが出てきますが、

原義としてdressには性別を問わない

正装、礼装という意味もあります。



ダンヒルではライターやパイプの商品名として「ドレス」の名称が登場し、

その後に筆記具へと採用されているようです。

それら「ドレス」の名を冠する製品のデザインには

どことなく燕尾服やタキシードなどの正装を想起させるものがあります。



形式ばった人前へと出るための衣服というものは、

平服や普段着と比べると皆一様に、いささかの不自由を伴います。

動き方ひとつ、着用の仕方ひとつ。

しかし、その制限が、そのひと手間が美しさを生むのも事実です。













この製品は、まさに筆記具としてのドレス。

「紳士のドレス」なのではないでしょうか。



見た目の美しさ、身にまとったときの佇まい。

けして、道具として使いやすいわけではなく、

気軽にまとうことが出来るものでもない。



それでも、人生の大切な時に、

正装を身にまとうように、



このペンをつかうとき、

背筋が綺麗に正されるような不思議な心地になります。

糊のきいたワイシャツへ腕を通した時や、

よそ行きの華やかなドレスを身にまとう時のような、

緊張とないまぜになった高揚感。



これは心躍る筆記具。

それは持つたびに心を楽しませてくれるものです。



























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この記事を面白いと思った人は4人です

2019年11月03日|written by スタッフ
この記事カテゴリーは『万年筆』です。

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