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冬と万年筆。

うう、寒い。。。
毎朝布団から出るのに相当な気力が必要な季節になってきました。

この季節になると万年筆ユーザー(特にビンテージ万年筆ユーザー)が気になってしまうのが

「インクタンク内の空気膨張によるインク漏れ」


今日はこの問題について、つらつらと綴っていこうと思います。

寒~い外から帰ってきて、間髪入れずにあったかい部屋で冷え冷えの万年筆を取り出す。

おもむろに文字を書こうとするとインクがどばぁ…



こんな経験はないでしょうか。



これは気圧や温度の変化による空気の膨張が原因。

インクタンク内の空気がインクを押し出してしまいインク漏れを起こすのです。



ペン芯の性能が今ほど良くなかった時代、

万年筆ユーザー、そしてメーカーはこの問題に今以上に非常に悩まされてきたんですね。



もちろん改善されているとはいえ、今でも無縁な話ではないです。
そのため気圧変化の激しい飛行機に乗る際には、
インクは空、もしくは目一杯入れるよう推奨されています。



とはいえ、飛行機乗るときは気をつけられても
寒い日は毎回インクを満タンにするなんてできないし…
悩みは尽きません。
寒暖差がある場合は、しばらく万年筆をその温度に慣らしてから使うのが一番ですかね。


さてさてこの問題に対して、
通常の万年筆は「ペン芯の性能を上げる」「吸入量を抑える」ことで対処しています。


例えばペリカンのスーベレーンシリーズ。

M400とM1000って、あんなにサイズが違うのにインクの吸入量がほぼ変わらないってご存知でしたか?








ペンのサイズに合わせて吸入量を増やすと、ペン芯のインク保持性能を超えてしまうため

インク漏れのリスクが高くなってしまうのです。

(実際の吸入量にはわずかに差があるようですが、メーカー公表では同量です)



しかし、世界は広い。。。

吸入量セーブ以外にも様々なアプローチで対抗した、ユニークな万年筆達がいるのです。

ではでは、3つほどご紹介いたします。



まずはプラチナのギャザード。






奇抜なデザインが目を引く万年筆ですが

こちらは「表面積を増やす」「手との接地面積を減らす」ことで手からの熱伝導を最小限に抑えています。
吸入量はその他の万年筆とあまり変わりありませんが、温度変化に強いという意味で選出しました。




そしてパイロットのカスタム823。







プランジャーという特殊な吸入方式を採用している珍しいモデル。

このペンの課題に対するアプローチは「空気の流れの遮断」。


尻軸を締め切った状態だと完全にペン先とインクタンクの空気の流れが遮断されます。

インクタンク内の気圧が変化してもペン芯側にインクが押し出されないというわけですね。

その代わり、昔のインキ止め式万年筆のように筆記時には尻軸を都度、緩める必要があります。






最後は、前述のプランジャー式の進化系ともいえるヴィスコンティのダブルタンク・パワーフィラー式万年筆。








このペンがとった解決法は「インクタンクの分割」。




メインタンクとサブタンクを遮断することで、

メインタンクの空気膨張の影響を受けないようにしています。





そして、この万年筆のすごいところは使用時にわざわざ尻軸を緩める必要がないこと。

サブタンクにインクがなくなったときにはじめて尻軸を緩め、

メインタンクからサブタンクへインクを供給すればいいのです。





※ダブルタンク・パワーフィラーについてさらに知りたい方は>>こちら






いかがだったでしょうか。

各社の企業努力、そして技術の進歩の歴史を少しでも感じていただけたら幸いです。

きっと、これからも革新的な機構を持った万年筆が生まれてくることでしょう。





ではでは今日はこのへんで。

皆様の素敵な万年筆ライフの一助となりますように。

この記事を面白いと思った人は48人です

2016年11月17日|written by スタッフ
この記事カテゴリーは『万年筆』です。

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